【ロックンロールは鳴りやまないっ/神聖かまってちゃん】歌詞の意味を考察、解釈する。

神聖かまってちゃんは4人組のバンドとして知られています。
彼らがデビューした際、演奏中のライブ配信と個々のメンバーの強烈なキャラクターが注目を浴び、彼らは急速に名声を獲得しました。
特に、代表曲である『ロックンロールは鳴りやまないっ』は、彼らの音楽の象徴とも言える作品です。
この楽曲が収められたアルバムは2010年にリリースされました。
それから10年以上が経ちましたが、歌詞からは時代の移り変わりを感じることができます。
この歌詞を通じて、音楽文化の変遷を振り返ってみましょう。

昨日の夜、駅前TSUTAYAさんで

「昨日の夜、駅前TSUTAYAさんで」という歌の冒頭。
このフレーズ自体も、もはや過去の風習かもしれません。
かつては音楽はレコード店で購入し、TSUTAYAのようなビデオレンタル店で借りることが一般的でしたが、今ではさらに進化し、配信や動画が主流となっています。

僕はビートルズを借りた
セックスピストルズを借りた
「ロックンロール」というやつだ
しかし、何がいいんだか全然分かりません
しかし、何がいいんだか全然分かりません
do da turatura oh yeah! yeah! yeah!
夕暮れ時、部活の帰り道で

またもビートルズを聞いた
セックスピストルズを聞いた
何かが以前と違うんだ
MD取っても、イヤホン取っても
なんでだ全然鳴り止まねぇっ

「ビートルズを借りた セックスピストルズを借りた」― このアーティストの選択も見事ですね。
青春時代にロックに触れる少年少女が通るべき、まるで音楽の教科書のような代表的アーティストたちです。
ビートルズは60年代に登場し、現代のポップス音楽の基盤を築いたとされる、英国の伝説的なバンド。
セックスピストルズは70年代後半のパンクムーブメントをけん引した、また一つのレジェンド的存在のバンドです。
「ロックンロールは鳴りやまないっ」は、かまってちゃんの楽曲の中でも特に著名です。
それは多くの人が音楽やロックに触れ、その感覚を歌詞に託しているからこそです。
「何が良いのか分からない」という疑問から、「何かが以前と異なる」という気づきへの変化を歌詞が表現しています。
このような変化は、他のアーティストにも当てはまるかもしれません。
音楽に対する感動は、常に「変化」の連続であり、以前は響かなかった曲も、ある出来事や瞬間をきっかけに魅力的に感じられることがあります。
この過程を繊細に歌詞に込めているのです。
「MD取っても」の一節には、時代の移り変わりを感じます。
かつてはコンパクトな音楽媒体として画期的だったミニディスク(MD)。
しかし、携帯電話やスマートフォンの普及により、MDの存在感は次第に薄れていきました。
このような変化も、現代の技術進化と音楽文化の変遷を示す重要な一例です。

今も遠くで聞こえるあの時のあの曲がさ
遠くで近くですぐ傍で、叫んでいる
遠くで見てくれあの時の僕のまま
初めて気がついたあの時の衝撃を僕に
いつまでも、いつまでもくれよ
もっともっと、僕にくれよ

サビの情熱的な叫びが、聴衆の共感を呼び起こしました。
ここが特に共鳴を生み出した部分です。
「初めて気づいたあの瞬間の衝撃」、それが音楽です。
この衝撃を忘れずに音楽の道を歩んでいるのです。
多くのバンドが音楽の世界に足を踏み入れるきっかけは、自身も感じた衝撃を音楽を通じて伝えたいという思いから生まれています。

最近の曲なんかもうクソみたいな曲だらけさ!
なんて事を君は言う、いつの時代でも
だから僕は今すぐ、今すぐ、今すぐ叫ぶよ
君に今すぐ、今、僕のギター鳴らしてやる
君が今すぐ、今、曲の意味分からずとも
鳴らす今、鳴らす時
ロックンロールは鳴り止まないっ

「最近の曲なんかもうクソみたいな曲だらけさ!なんて事を君は言う」という一節からの締めくくりも素晴らしいですね。
かまってちゃんというバンドは、そのバンド名や荒々しい演奏スタイルから、時折「クソみたいな曲」と揶揄されることもありました。
しかしそれでも彼らは、どんな評価を受けようとも音楽を愛し続けました。

この姿勢は、他人の意見に左右されず音楽を奏でることこそが真の音楽であり、ロックンロールであるという信念から生まれています。
この「今すぐ叫ぶ」感覚、そして「鳴りやまない」衝動は、かまってちゃんのメンバーであるみさこのバンド「バンドじゃないもん!」にも受け継がれています。

「君の笑顔で世界がやばい」というバンもんの楽曲には、「“ロックはしんだ”とシモンズ言ってた」というフレーズが登場します。
今やロックが過去のものとされる時代においても、だからこそ「踊れや歌えや」という心意気で音楽を奏でることが大切です。

かまってちゃんもバンもんも、音楽を奏でる衝動そのものを歌詞に込めています。
ここにその魅力があります。