【リンダ リンダ/THE BLUE HEARTS】歌詞の意味を考察、解釈する。

THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)の『リンダ リンダ』は、幅広い世代の人々に愛される曲として知られています。

この曲が何を表しているのか、誰を対象としているのか、それは甲本ヒロトでさえ具体的には語っていません。

しかし、『リンダ リンダ』には深いメッセージが込められています。

それを解き明かしてみましょう。

日本の音楽シーンを代表する名曲

甲本ヒロトは、『リンダ リンダ』を作る際の心境を、「『これはヤベえだろ!』というような曲を作りたくて作った曲。」と述べました。

『リンダ リンダ』は登場してから30年以上が経過しても、多くの人々に愛され、歌われ続けています。

このことから、日本の音楽シーンを代表する名曲であることは間違いありません。

ヒロトの「哲学」

ドブネズミみたいに
美しくなりたい
写真には写らない
美しさが あるから

1987年にこの曲が生まれた時、まだまだ若いバンドメンバーは、一部の人たちから好意的に見られることはありませんでした。

その時代に、ヒロトもまた、おそらく同じ境遇の若者の1人だったでしょう。

彼は、ライダースジャケットと穴の空いたジーンズを着ていたとしても、人を愛する心は一般の人よりも強かったのかもしれません。

“ドブネズミだって親は子を産んで大切に育てる!人は見かけじゃない!人を想う気持ちこそが大切なんだ!”、このようなヒロトの「哲学」が、曲の始まりとなりました。

そして、この哲学は、THE BLUE HEARTSの他の楽曲でも頻繁に見られる歌詞の一部となりました。

この世で最も大切な存在の象徴

リンダ リンダ
リンダ リンダ リンダ
リンダ リンダ
リンダ リンダ リンダ

では、「リンダ リンダ」とは一体何のことなのでしょうか?

これについては、発売当初からさまざまな説が唱えられてきました。

スペイン語で「かわいい」という意味の「Lindo」から来ているとか、英語で「最愛の人」を表す「Darling」のアナグラムだとか、ある特定の人の名前だとか、様々です。

実際、甲本ヒロト自身も以前のインタビューで、「よくわからない」「答えがない」「自由に解釈してもらっていい」と述べています。

私は、「リンダ リンダ」とは「この世で最も大切な存在の象徴」と解釈しています。

つまり、個々の人にとって異なる存在なのです。

恋人、妻、母、娘、アイドル、聖母マリア、世界平和など、それぞれが「リンダ リンダ」に当てはめることができると考えています。

もちろん、甲本ヒロトがそこまで意図していたかどうかはわかりません。

しかし、ヒロトの強い感情から生まれた言葉、それが「リンダ リンダ」だったのではないかと推測しています。

圧倒的な力で君を守ってあげる

歌詞は、曲全体を通してシンプルでありながらも、強い感情が一貫して表現されています。

もしも 僕が
いつか 君と出会い
話し合うなら
そんな時は
どうか愛の意味を
知って下さい

曲の中で、自分にとって最も大切な存在について歌われています。

ヒロトらしい少年のような気持ちが表現されており、”真の「愛」の意味を伝えたい”という強い願いが描かれています。

ドブネズミみたいに
誰よりも やさしい
ドブネズミみたいに
何よりも あたたかく

最初の歌詞よりも、もっとわかりやすく、ダイレクトな表現に変えられています。

ネズミの生態について詳しくはないですが、ハムスターであろうと、ドブネズミであろうと、親が子を愛する気持ちは同じだと思います。

“どんな人であれ、大切な存在には優しく、温かく接したい…。”

このようなヒロトの思いが、強く印象に残る歌詞です。

愛じゃなくても
恋じゃなくても
君を離しはしない
決して負けない
強い力を
僕は一つだけ持つ

“君を離さない”という感情は、単なる愛や恋といったものではありません。

“それ以上の、圧倒的な力で君を守ってあげる”という強い意志が歌われています。

まとめ

『リンダ リンダ』の歌詞は、一見するとただ1人の女性に対する感情を歌った曲に思えます。

しかし、実際には、それだけではなく、より深い意味が込められていると感じます。

1人の人間から世界人類の平和まで、「最も大切なものを全力で守ってほしい」という強い願いが表現されています。

これが、ヒロトの深い思いが込められた曲『リンダ リンダ』の解釈です。

このようなメッセージが、いつの時代にも、どの世代にも受け入れられる名曲として、今もなお愛されている理由なのでしょう。