Base Ball Bearというバンドは、中高生だけでなく、大人になってからでも輝きを失わないバンドです。
ここでは、その素晴らしい楽曲をご紹介いたします。
光と影
ベースボールベアー(Base Ball Bear)は、2001年に同じ高校の3人のクラスメートと1学年下の後輩によって結成されたギターロックバンドです。
彼らは文化祭でのライブが大成功し、その後もSUPERCARなどのカバーソングを演奏しながら活動していました。
彼らの才能は東芝EMIのプロデューサーの目に留まり、デビューの機会を得ることとなりました。
ナンバーガールやSUPERCARなどの影響を受け、ボーカルであり作曲も手掛ける小出祐介さんの独特な感性から、ベースボールベアーはデビュー当時から優れたコード進行が注目されていました。
彼らの楽曲は、高校時代の延長のようなボーイミーツガールと青春をテーマにしており、その唯一無二の存在感が定評のあるバンドとして評価されています。
さらに、彼らのさわやかなコード進行は劣等感を戦闘力に変えるメッセージを持ち、その芯の強いロックなメッセージに励まされるファンも多いようです。
また、彼らの明るいメロディに乗せられた光と影、表と裏の深層を描いた歌詞にも多くのファンが魅了されています。
実体験?
「PERFECT BLUE」は、2013年にリリースされたベストアルバム「バンドBのベスト」と同時にシングルとして発売されました。
この曲のミュージックビデオには、モデルの本田翼さんが出演し、話題となりました。
撮影は学校の構内で行われ、各シーンがベストアルバムの楽曲とリンクしています。
また、歌詞もボーカルであり作詞作曲を手掛ける小出祐介さん自身のパーソナルな体験とも関連しており、こだわりのある歌詞となっているようです。
重いテーマをさわやかなメロディで歌い上げる
「PERFECT BLUE」というタイトルは、直訳すると「完璧な青」となります。
この言葉からは、夏の青空や一段と輝く晴天、そして青春の輝きなど、さまざまなイメージが浮かびます。
実は、当時のインタビューや資料を調査すると、この楽曲にはダブルミーニング、つまり二つの意味が込められていることがわかります。
一つは、曲が持つ夏のさわやかさや青空の突き抜けるような青さ、そして青春の輝かしい瞬間など、その正統な要素です。
そしてもう一つは、「生と死」というテーマです。
この意味は、シングル「yoakemae」のリリース日に小出祐介さんのおじいさんが亡くなり、その出来事をきっかけに「生と死」というテーマがより明確に表現されるようになったからだとされています。
実際、歌詞の中にはその体験を基にしたフレーズが含まれています。
しかし、この曲が持つストーリーはさらに深いものでした。
この曲は、全体的にキラキラとして明るく爽やかな印象を与えながらも、同時にどこか悲しい、どこか切ない印象も感じられますよね。
実際、最初のワンフレーズだけでもそのストーリーに引き込まれてしまいます。
むせび泣いたみたいな 通り雨がやんだ
さらに、その後も悲しみを含んだ歌詞が続いています。
遠くで煙が昇っていく
空にかけた梯子のように 無い天井に向かってのびていく
小出祐介さんがおじいさんを亡くされた際、彼は火葬場の煙ではなく工場の煙突から昇る煙を見て「悲しい」と感じたそうです。
このような「悲しさ」を伝える風景を、曲の主人公も目撃していることがわかります。
その悲しみの真相は、サビの歌詞によって歌われています。
君は翔んだ あの夏の日 むき出しの太陽にくちづけしようと そっと目を閉じ
舞いあがった その黒い髪 凛とした青い空にとけてしまったのにね
会いたいよ また、君に
つまり、この歌詞の中の「君」とは、ある夏の日に空に向かって飛んでしまった存在なのです。
彼は、きっと美しい青空の下で自ら死を選び、空へと飛び立ったのだと理解できます。
彼が冷たくなってしまった女の子の手に触れた記憶や、強い雨の中での出来事、そして鉄塔の下を歩いたことなど、この物語を知ると全てが悲しく聞こえてしまうのです。
ほとんどを忘れ たくさんを失う
でも 青い君は美しくなる
「君」とは、おそらく完璧に澄んだ青さを持つ女の子だったのでしょう。
彼女の青春の輝きは短く、一瞬しかありませんでした。
彼女はその美しさを一瞬で終わらせるか、または「僕」の思い出の中で永遠に美しいまま封じ込められることを選んだのかもしれません。
この曲を聴きながら澄んだ青空を思い浮かべると、青春の輝きとともにこの女の子と男の子の「絶望」が伝わってきます。
それが「PERFECT BLUE」という曲の魅力なのかもしれません。
あたらしい風に向かい 僕は君の知らない季節を さぁ、いこう
もうすぐ夏がくる
この曲は、大人になっても忘れられない青春の思い出や希望と絶望、光と影、現実の裏側を思い起こさせます。
そして特に「生と死」というテーマで、二人がもう二度と会えない悲しみを受け入れることができないという感情が描かれています。
しかし、大切な女の子は永遠を選び、主人公は彼女と新しい季節を一緒に迎えることはできません。
それでも、彼は新しい夏が訪れるのを待ち続けています。
Base Ball Bearは、重いテーマをさわやかなメロディで歌い上げることができる唯一無二の存在であることが分かります。