『虹』は、2020年11月25日にリリースされた菅田将暉の楽曲です。
この曲は、映画『STAND BY MEドラえもん2』のテーマソングに採用されました。
心温まるウェディングソングとして、感動を禁じ得ない一曲となっています。
曲に込められた想いをじっくりと探ってみましょう。
映画主題歌
俳優だけでなく、アーティストとしても一線で成功を収めているのが菅田将暉です。
2017年にリリースした『見たこともない景色』によって歌手デビューし、2019年には「第70回 NHK紅白歌合戦」に出場するなど、その実力を証明しました。
彼はこれまで米津玄師やあいみょんなど、人気アーティストたちとのコラボレーションも果たし、その音楽性の魅力に多くの注目が集まっています。
2020年11月25日に公開された楽曲『虹』は、映画『STAND BY ME ドラえもん2』の主題歌として抜擢されました。
この映画は、のび太が亡くなった祖母に会いにタイムスリップし、祖母の願いである「のび太の嫁を一度見てみたい」という思いに応えるために奮闘するストーリーです。
物語の中で、大人に成長したのび太は自分自身の弱さに悩みつつも、大切な人であるしずかちゃんを幸せにできるのかという不安を抱えています。
そのため、結婚式当日になってしまって逃げ出してしまうのですが、小学生ののび太とドラえもんが手を取り合い、大人ののび太を引き戻すため、過去から未来へと繰り広げる冒険が描かれます。
『虹』という曲は、この映画の主題歌であり、新郎が新婦への想いや、家族や友人たちへの感謝の気持ちを歌ったウェディングソングとしての役割も果たしています。
歌詞には、結婚するのび太自身の心情が綴られており、菅田将暉の優しい歌声とともに、多くの人々の心を打つことでしょう。
さっそく、歌詞の奥深いメッセージを解き明かしてみましょう。
お互いの弱さを理解して受け入れる
泣いていいんだよ
そんな一言に僕は救われたんだよ
ほんとにありがとう
情けないけれど だらしないけれど
君を想う事だけで 明日が輝く
この歌詞は最初から心に深く響くものですね。
この曲では、自分自身を情けなく、だらしない、泣き虫と感じている「僕」の視点が歌われています。
特別な瞬間、おそらく彼女にプロポーズしている場面でしょうか。
彼女の優しさによって救われた経験が思い出されているようです。
彼女の受け止める温かさによって、弱さを含めた「僕」自身を受け入れられていたこと。
その存在があったからこそ、「僕」は進んでこれたこと、未来に向かって進む勇気を持てたことを率直に伝えています。
お互いの弱さを理解し受け入れることで、2人の関係が築かれています。
結婚においても、お互いを支え合い、共に歩むことが大切なのですね。
虹が象徴するもの
ありのままの二人でいいよ
陽だまりみつけて遊ぼうよ
ベランダで水をやる君の
足元に小さな虹 ねぇ
「君」の優しい声が、「ありのままの2人でいいよ」と伝えてきます。
家族や友人たちも同様に、2人の結婚を暖かく祝福している様子。
この時、曲名である「虹」が言及されます。
「君」が花にじょうろで水をやる時に、そこに現れた虹によって「僕」は幸せを感じました。
虹を生み出した「君」も、その虹と同じように「僕」に幸せをもたらす特別な存在でしょう。
日常の中で繰り広げられる些細な瞬間も、「君」とともに過ごすことが「僕」にとっての至福の時です。
タイトルである『虹』は、日常を特別なものにしてくれる彼女への深い感情や、2人の共有する幸福を象徴しているのかもしれませんね。
強い決意
一生そばにいるから 一生そばにいて
一生離れないように 一生懸命に
きつく結んだ目がほどけないように
かたくつないだ手を離さないから
サビの部分では、結婚に向けた「僕」の意志が歌われています。
言葉はシンプルですが、「君」と共に未来を歩みたいという真摯な気持ちが伝わってきます。
さらに、「きつく結んだ目がほどけないように、かたくつないだ手を離さないから」という部分では、「僕」が「君」との絆を大切にし、一緒に人生を歩んでいく強い決意が表現されています。
これらの言葉は、菅田将暉の心からの愛情がこもっており、その真っ直ぐな歌声に触れた人々は感動したことでしょう。
まるで自分がプロポーズを受けているような気持ちで、笑顔や涙が自然とこぼれる、心温まるフレーズですね。
様々な気持ちを共有したい
さみしい夜を半分 僕に預けて欲しい
うれしい日々は十分に 笑い合っていたい
どんな言葉でも足りないよな
君のぬくもりに触れたせいかな
自分の日常を輝かせ、常に支えてくれる大切な彼女への気持ちを「僕」は伝えたいと思っています。
どんな言葉をかけても、彼女の与えてくれる優しさにはかないませんが、心からの言葉で感謝の気持ちを伝えようと努力しています。
彼女の優しさの前では、「僕」自身の言葉が及ばないと考えている様子が描かれています。
特に、「さみしい夜を半分 僕に預けて欲しい」「うれしい日々は十分に 笑い合っていたい」という部分では、幸福や孤独を分かち合う気持ちが強調されています。
「僕」はおそらく、彼女が幸せであり、寂しいときも自分のことのように考え、彼女のために尽くしたいという気持ちを持っているでしょう。
自分に自信はなくても、彼女と共にいることを大切にする「僕」の姿勢に、心が温かくなりますね。
「ありがとう」じゃ足りない
家族や友達のこと こんな僕のこと
いつも大事に笑うから 泣けてくるんだよ
何にもなかった空に ぽつんと輝いていた
「ありがとう」に代わる言葉 ずっと探していたんだ
とうとう結婚式の日がやってきました。
家族や友人たちに感謝の気持ちを伝えようとした瞬間、思わず涙がこぼれてきた様子が描かれています。
大切な人々が自分のそばにいてくれたことに気付き、その優しい笑顔が自分の人生に幸せを満たしていたことに感動したのでしょう。
多くの温かい感情に触れながら、「僕」はただ「ありがとう」と言葉にするだけでは足りないと感じているようです。
果たして、「僕」は家族や友人たち、そして彼女にどのような方法で感謝の気持ちを伝えたのでしょうか？
頼りなさそうでありながら心優しい「僕」はのび太のよう
一生そばにいるから 一生そばにいて
一生離れないように 一生懸命に
きつく結んだ目がほどけないように
かたくつないだ手を離さないから
離さないから
楽曲のラストでは、自分を支えてくれた彼女との強い絆を失いたくないという意志が再び歌われています。
自信がなく、泣き虫な「僕」は、彼女を幸せにできる自信を持っていないかもしれませんが、一つ確かなことは、彼女から離れるつもりはないということです。
この強い意志は、彼女への深い愛情と、絆を大切にする決意の表れなのでしょう。
そして、家族や大切な人々に、彼女への誠意や自分の成長を示すことで恩返ししようとしているのかもしれません。
特に、「離さないから」というフレーズは、感情を込めた声で歌われています。
涙をこらえながら、大切な人々に「彼女との絆を絶対に手放さない」という思いを伝えようとしているのでしょう。
この誠実な姿に触れると、感動を抑えることは難しいでしょう。
この楽曲の特典DVDには、「THE FIRST TAKE」のコラボで歌唱映像が収められています。
一発撮りの緊張感の中、菅田将暉の真摯な表情と歌声が、心に響くことでしょう。
また、頼りなさそうでありながら心優しい「僕」のキャラクターは、のび太のように親しみを感じさせる魅力があります。
菅田将暉がその「僕」の気持ちを丁寧に歌い上げることで、感動的な楽曲が生まれました。
結婚相手や家族、友人たちへの愛情と感謝の気持ちが、優しく真っ直ぐに歌われている『虹』。
大切な人々を思いながら、ぜひじっくりと聴いてみることをおすすめします。
