【熱帯夜/RIP SLYME】歌詞(リリック)の意味を考察、解釈する。

今回、私がおすすめしたい楽曲は「RIP SLYME(リップスライム)」の「熱帯夜」です。

現在、TikTok上で大きな注目を集めているこの曲の歌詞に込められた意味や伝えたいメッセージを考察してみたいと思います。

どんな曲?

1994年に結成され、2001年にメジャーデビューした日本の男性ヒップホップグループ「RIP SLYMEリップスライム」は、2018年に突如として活動休止となりましたが、2022年4月15日に活動を再開しました。
彼らは現在、2MC+1DJで構成されています。

彼らが2007年にリリースした「熱帯夜」は、「真夏の夜の愛のラヴ・アフェア(恋愛情事)」がテーマとなっており、イントロ部分から既に熱気と妖艶なメロディーラインが絡みつくような雰囲気を持っています。
聴き込むほどに、心の渇きや愛に飢えた欲望が掻き立てられる感覚を筆者は感じました。

ちなみに、この楽曲はブラジルの女性シンガー「クララ・ノニス」が歌う「Sabia‘」が原曲(元ネタ)とされています。
興味がある方は、両曲を聴き比べてみると面白いかもしれません。

愛と欲望の極致

この曲は、ラップがメインで、熱帯夜に繰り広げられる官能的な恋愛情事がリアルに描写されており、聴く者のイマジネーションを刺激します。

捉え方によって、イマジネーションの解釈も多様ですが、一部の人々はこの楽曲のラップ全体を「禁断の恋愛」とか「エロティシズムの極致」と感じるかもしれません。
おそらく、曲の内容は「限界ギリギリ」のラインを巧みにキープしていると言えるでしょう。

今宵もアッチーチーのチーな街

バチバチに火花散らす葉ー千ーこと

P.e.s.s.y.の愛のヴァイブス

たっぷりと挿入 このマイクを for you

暗闇の温度は上昇中 部屋に渦巻く煙と Co2

深く深く吸って熱が移ってく

熱帯夜来 かざせファイアライト

最初のターンで気になる言葉は「P.e.s.s.y」、「ヴァイブス」と「ファイアライト」です。

「P.e.s.s.y」とは、RIP SLYMEのリーダーであるPESさんを意味しているようですが、この楽曲では、物語の主人公の男性を象徴する言葉として使われているようです。

「ヴァイブス」とは「テンション」を意味し、感情の高まりを表現する言葉です。

そして、「ファイアライト」とは、「炉火の光」を指しており、熱く燃えたぎる情熱が交錯し合うラブバトルの勝負が幕を開けたイメージを連想させます。

君といたいや

仕事の時間や行かなきゃいけないパーティーもリタイヤ

君といたいや

何か入れたいや からまる足 ふき出す汗はダイヤ

困る いつまでも断ち切れないや

きっかけくれる君こそがダイヤ

バカかもね 色ボケのプレー

温かいや 君のムネで寝る ヘーイ

ヴァイブス(テンション)は爆上がりへと加速する中で、仕事の時間や行かなければならないパーティー、困難な状況にも理性を保とうとする様子がうかがえますが、それも一時的なことに過ぎません。
どんどんラブバトルにのめり込んでいく様子が明らかになっています。

蒸し暑い闇の中で噴き出す汗が炉火の光に照らされ、まるでダイヤモンドのように輝いているように感じられます。

しかし、違います!

輝いているのは汗まみれになって愛撫を求める相手なのです…。
お互いに求めているものは1つ。想いも1つ。

ここから先では、この歌が伝えたい真の想いの本質へと進展していくようです。

かなり甘美なムードに夢うつつ

既に酔ったみたい 乱れつつ

レッスンで選ぶ手順なんて

無視して夢中でI want you

もう元に戻れないぜ 二人のまれ

町中熱く染まるファンファーレ

響くぜ ひどくヒートする美女

パッと弾けたら既に虜

火照る体の奥へとリズム取り込んで

爆発しそうさPomp it up

ホラ 飛び込んでこい 狭いフロアで

むせ返るほど息づく

アララ お利口サン達もハッスルなさってる

夜中鳴りやまないサイレン

トリートメントみたく艶めくあの娘も

今夜俺が射止める

「Pomp it up」というフレーズは、「気合を入れろ!」という意味を持ちます。

また、「ファンファーレ」と「サイレン」は言葉は異なりますが、ここでは同じ意味として、「吐息」や「喘ぎ声」を表していると筆者は捉えています。

愛し合い、求め合うラブバトルのボルテージが最高潮に達している様子が描かれています。

欲望を率直にさらけ出しながらも、お互いの深い愛を確かめ合っている姿が伺えます。

アチャチャ~

とろけるくらいに Hotなmoonlight

あっがるぜ! 真ん丸な満月に吠えろ!

後のことなど気にしないでTonight

もう何も着てらんないくらい 踊り転げろ

エロく萌えろ 燃えちまいな! 焦げろ! さぁ溶けろ!

そんでもう もっと求めろ

歌詞の中で「満月」という言葉が登場します。

満月の夜は、精神的な影響を受けやすく、感情が高まり、興奮状態になる人が多いとされていますが、この楽曲ではそれが「熱く激しいラブバトルのクライマックス」を意味していると筆者は解釈します。

迸る汗を輝かせながら、無我夢中でお互いの全てを求め合うのです…

もっと激しく、もっと強く。もっと熱く…。

このような想いが込められていると筆者は考えます。

そして、TikTokなどでもよく耳にするフレーズ。

ホテらすネツタイヤ

あなたなら Ah私なら Woo

燃え上がる愛の Fire

お前らなら Oh オレらならyeah

この楽曲の一連の展開から、歌が伝えたい想いの核心は愛と欲望の極致、オーガズムに至る情熱の追求であると筆者は思います。