「motto」に込められたJUDY AND MARYのメッセージとは？
JUDY AND MARYの楽曲「motto」は、2000年にリリースされたアルバム『WARP』に収録された一曲であり、その歌詞には彼らならではの”生きる力”が溢れています。
「イミテイションなんて 蹴飛ばして」「最後に笑う人は 誰でしょう？」といったフレーズからは、他人の目を気にすることなく、自分の人生を生きようという強い意思が読み取れます。
多くのファンが、この曲に「背中を押された」と語るのは、ただの応援ソングではなく、不安や痛みを抱えたまま、それでも生きることを選ぶ人たちへの共感と励ましがあるからでしょう。単なるポジティブではなく、「哀しみ」や「不器用さ」すら受け入れたうえでの強さが、この歌の大きな魅力です。
歌詞に散りばめられた心の葛藤とその乗り越え方
「生きる事に酷く疲れました。」という歌詞は、一見するとかなり重い言葉です。しかし、それを口にすること自体が、ある種の”希望”のようにも感じられます。
なぜなら、この曲は最終的に「今を愛してね」と締めくくられ、自分の人生を肯定する方向へ向かっているからです。
「ハードルは低くしておくものよ 覚えててネー」という一節には、頑張りすぎてしまう人への優しい忠告が込められており、**「完璧でなくていい」「弱くてもいい」**という考え方が全体を貫いています。
リスナーの多くが、自分の葛藤と照らし合わせながら聴いている理由は、こうした等身大の苦しみと、それにどう向き合うかというリアルな視点があるからです。
「愛をもっと 自由をもっと」— サビに込められた核心のメッセージ
サビの「愛をもっと 自由をもっと 思い通りなんていかないものだわ」という部分は、この曲の核心ともいえるメッセージです。
一見、欲張りで自分勝手な印象を与えるかもしれませんが、実はとても人間らしい願望です。
この一節には、「人は欲を持ってもいい」「もっと求めてもいい」という自分の感情への肯定が込められています。自由や愛を望むことは、決して悪いことではなく、それが生きる力に変わるという視点が感じられます。
また、「思い通りなんていかない」と正直に認めている点も印象的です。ただ前向きに励ますだけでなく、現実の不確かさを受け入れる姿勢こそが、この曲を一層リアルで深いものにしています。
“motto”というタイトルの多層的な意味とは？
タイトルに使われている「motto（もっと）」という言葉は、非常にシンプルながらも深い意味を持っています。
それは単に「もっと○○したい」という欲望の表現にとどまらず、**“生きることに貪欲である姿勢”**を象徴しているようにも見えます。
また、英語の”motto（モットー＝信条）”という言葉と重ね合わせて解釈するファンも多く、**「もっと愛して」「もっと生きて」「もっと感じて」**という、人生に対するスタンスとして読むことも可能です。
この多義的なタイトルが示すのは、「自分を信じて、もっと自分らしく生きよう」というメッセージ。日常の中で埋もれがちな自分の感情や願いを掘り起こすきっかけとなる、そんな一言に思えます。
今こそ響く歌詞の力：現代の私たちへのエールとして
SNSや情報過多の現代社会では、「自分を見失いそうになる」ことが日常茶飯事です。そんな時に「motto」の歌詞は、私たちの心に静かに語りかけてくれます。
「涙流す素直なハート それは理想的でキレイ事」「完璧なのは 可愛くないでしょう？」といった歌詞は、感情を抑えることが求められがちな現代において、むしろ「さらけ出す強さ」の大切さを教えてくれます。
特に若い世代には、「もっと自分でいていい」「未完成のまま進んでいい」というメッセージが刺さるのではないでしょうか。
この歌詞は、他人の価値観に振り回されることなく、「自分だけのmotto」を持って生きることを勧めてくれているのです。
締めくくりに
JUDY AND MARYの「motto」は、単なるポップソングではありません。
そこに込められた言葉たちは、心の奥にある弱さや願望を静かに肯定し、背中をそっと押してくれる存在です。
どんな時代でも、人は「もっと」を求めながら生きていきます。
その「もっと」をどう受け止めるか——そのヒントが、この楽曲には散りばめられています。
