恋の瞬間を捉えた歌詞解析：SHISHAMO「恋する」の深層

SHISHAMO：感情を揺さぶるガールズロックの新たな旗手

川崎総合高等学校の軽音楽部に所属していた宮崎朝子（ボーカル＆ギター）と、初期メンバーの松本彩（ベース）が結成したことで始まったのが、SHISHAMO(シシャモ)の物語です。

彼女たちは結成直後に顧問の提案で「宿題が終わらない」という楽曲を作成し、全国の高校生バンドが集うTEEN ROCK IN HITACHINAKA 2012で複数の賞を受賞し、その才能を認められました。

その後、音楽雑誌「MUSICA」を通じて彼女たちの存在が広まり、インディーズシングル「宿題が終わらない」が大きな成功を収めることになります。

SHISHAMOの特徴は、宮崎朝子のリアルで共感を呼ぶ歌詞と、彼女たちの圧倒的な演奏力にあります。

ガールズバンドとしての枠を超えた激しいギターとパワフルなドラムが、彼女たちの音楽を際立たせています。

また、宮崎朝子の歌詞は、自らの経験や感情をそのまま歌うのではなく、聴く人々が自分自身の話のように感じられる普遍性を持っています。

宮崎朝子は、SHISHAMOの楽曲の大部分を作詞・作曲するだけでなく、バンドのアートワークも手掛けています。

彼女のイラストは、かつて漫画家を目指したことがあるだけあって、キュートでポップなスタイルが特徴です。

2013年11月13日にリリースされたSHISHAMOのデビューアルバムに収録されている「恋する」は、アルバムのラストを飾る曲です。

このアルバムには、同世代の若者たちが共感できる日常の一コマを描いた楽曲が収められており、バンドの新鮮な魅力が伝わります。

宮崎朝子が「恋する」の作詞・作曲を手がける際、夏をイメージした爽やかな楽曲を目指しました。

当初「カルピス」というタイトルを考えていましたが、商標の問題から「恋する」に変更されました。

この楽曲は、友情から恋愛感情へと変わる瞬間を描いています。

歌詞は、「私」と「君」の関係性の変化と、それに伴う複雑な心情を細やかに描写しています。

まるで、恋に落ちた瞬間のドキドキと、それを告げられないもどかしさが詰まっているようです。

SHISHAMOの楽曲「恋する」は、彼女たちが若いリスナーから愛される理由を象徴しています。

等身大の歌詞と力強い演奏により、多くの人々に共感を呼び、聴く人の心に強く響く作品です。