【ヒロイン/back number】歌詞の意味を考察、解釈する。

今回は、CMやドラマ・映画でも人気の高いバックナンバーの曲『ヒロイン』の歌詞の意味について考察してみたいと思います。

この曲はバックナンバーの中でも特に切なさや感動が心に響くもので、どのようなメッセージが込められているのか、探ってみたいと思います。

CMとのコラボ

『ヒロイン』は、10thシングル「繋いだ手から」から約10ヶ月ぶりのリリースとして発売されました。

初回盤と通常盤の2形態でのリリースで、通常盤のジャケットは清水依与吏さんが飾っています。

一方、初回限定版は、JR東日本のCMキャラクターを務める広瀬すずさんのジャケットが特徴です。

このジャケットは可愛らしく、まさに曲のタイトルにふさわしい「ヒロイン」の雰囲気を醸し出しています。

初回盤には、「ヒロイン」のMVと、横浜アリーナで行われた「love stories tour 2014 ~横浜ラブストーリー2~」のライブダイジェストを収録したDVDが付属しており、初週売上は約2万9000枚に達し、9thシングル「fish」の初週売上約1万8000枚を上回る自己最高の記録を樹立しました。

さらに、「fish」の累計約2万1000枚も初週売上のみで上回っているなど、back numberの人気を高める楽曲となりました。

MVも冬のバラードを感じさせる雰囲気で、小屋の中だけが暖かそうに描かれています。


この曲はJR東日本の『JR SKI SKI』のCMでタイアップされていますね。

広瀬すずさんが主演するCMとのコラボで、男性なら何度見てもときめいてしまいそうです。

広瀬すずさんが口にする「運命の赤い糸が二本あったらどうすればいいんだろう」や「伝えられなかった思いは雪と一緒に溶けていくのでしょうか?」などのフレーズは、まさに『ヒロイン』の歌詞を連想させるもので、印象に残ります。

この景色に彼女と一緒にいたい

この曲は「冬の片思い」を歌ったものですが、ただの片思いではなく、バックナンバーならではの深い意味が込められています。

主人公は素直になれない男性のようで、その切なさが表現されています。

彼の心情に思いを馳せながら、楽曲の内容を探ってみましょう。

君の毎日に 僕は似合わないかな
白い空から 雪が落ちた
別にいいさと 吐き出したため息が
少し残って 寂しそうに消えた

雪景色が舞台となっており、主人公は相手に自分の存在価値を自問しているようです。

「君の毎日に 僕は似合わないかな」という言葉から、彼は自らを相手の生活に不釣り合いだと感じているようです。

雪に消えゆく寂しげなため息が、彼の心情の重さを表現しています。

君の街にも 降っているかな
ああ今隣で

自分の心情を偽ることはできませんね。

主人公は、寒々しい空を見上げながら、その大好きな人も同じ空の下にいるはずなのに、今は一緒にいることが叶わない現実を受け入れざるを得ません。

彼の心情を思い浮かべると、彼が一人で空を見上げる様子が目に浮かびます。

雪が綺麗と笑うのは君がいい
でも寒いねって嬉しそうなのも
転びそうになって
掴んだ手のその先で
ありがとうって楽しそうなのも
それも君がいい

この部分では、主人公が素直な気持ちを吐露しています。

一人で見る景色を、大切な人との過ごした時間に重ね合わせてしまう様子が描かれています。

彼はその恋が叶わないと決めつけているものの、本当の気持ちは違います。

彼はこの景色に彼女と一緒にいたいと願っています。

彼女の仕草や存在が、彼にとって非常に愛おしく感じられる場面が描かれています。

少しでも自分の気持ちに素直になって

気付けば辺りは
ほとんどが白く染まって
散らかってた事
忘れてしまいそう
意外と積もったねと
メールを送ろうとして
打ちかけのまま
ポケットに入れた

個人的には、「散らかっていた事」というフレーズから、年末の忙しい時期が思い浮かびます。

クリスマスの片付けがまだのままで、年末の大掃除をイメージしますね。

この時期、学生であれば冬休み中に会えない間もあり、会話も内容も乏しいため、外に積もった雪を見ながらメールでも送ろうと思ったのでしょう。

しかし、自己完結に陥ってしまう主人公は、最後までメッセージを送ることなく閉じこもってしまいます。

「きっと好きな人は男らしい人が好きなんだろうな…僕と違って…」といった心の声が聞こえてきそうです。

Aメロで出したため息が、さらに深く白い息に変わっていくように感じられます。

雪が綺麗と笑うのは君がいい
出しかけた答え胸が痛くて
渡し方もどこに
捨てればいいかも分からずに
君から見えてる景色に
ただ怯えているんだ

先ほどのメールの準備も、彼が自分の気持ちを伝えようとしたキッカケだったのかもしれませんね。

自分の想像する結果が、そのまま相手の反応になることを恐れて、彼は何もできないでいる様子が伝わってきます。

彼は何も渡すことも捨てることもできず、ただただ恐れているようです。

その気持ちが、読む者にも強く訴えかけるでしょう。


自分の気持ちをそのまま相手に重ねてしまうほど、彼は強い愛情を抱いているのに、なかなか素直になれません。

この状況に対する彼のもどかしい気持ちが伝わってきます。

彼が常に考えているヒロインへの気持ちや、自分自身に対する情けない感情も、ますます大きくなっていくようです。

見慣れたはずの 街がこんなにも
馬鹿だなぁ僕は

毎日目にする景色さえも、その存在が与える影響は大きいものです。

その重要性に気付いた時、これまで自分が抱いていた愚かな考えに、ようやく決別できたということでしょう。


君の街に白い雪が降った時
君は誰に会いたくなるんだろう
雪が綺麗だねって
誰に言いたくなるんだろう
僕は やっぱり僕は

相手が見ている景色に思いを馳せます。

彼と同じ気持ちなのか、それとも違う人のことを考えているのか、わからないままです。

思いはどんどん大きくなりますが、相手の景色がどうであれ、自分は何をするにも、何を見るにも、常に彼女がそばにいてほしいと願っています。

片思いが自分だけの勝手な結論で終わりそうでしたが、最後には少しでも自分の気持ちに素直になって、前向きに進もうとする主人公の気持ちが表れ、物語はエンディングを迎えました。

女性も共感するであろう主人公の切ない気持ち

今回はback numberの『ヒロイン』の歌詞の意味を考察しましたが、これは多くの人が経験したことがあるかもしれませんね。

特に学生時代などは、自分の気持ちと向き合うことが難しいことがあります。

自信がないし、相手の気持ちを先読みしてしまい、自分自身を情けなく感じる…。

そんな微妙な心の揺れ動きが、この楽曲の中で表現されています。

『ヒロイン』は男性目線で描かれていますが、きっと女性も共感するであろう主人公の切ない気持ちが描かれています。

この共感性こそが、多くのリスナーに支持される理由なのかもしれませんね。