まず、クリープハイプというバンドは非常に直感的で率直に感じる感情をそのまま歌詞に表現するスタイルのバンドです。
彼らの曲の中には、その場の雰囲気で歌詞が書かれたようなものも多く存在します。
そのため、私は彼らが好きなのですが、それを考察することは、もはや酔っ払いの不満を考察するのと同じくらい難解であり、考察する必要があるのでしょうか？
そもそも意味があるのでしょうか？
とすら思えるものです。
実際、クリープハイプの曲を改めて聴くと、リズムに重点が置かれていて意味がないようにも思える歌詞も多数あります。
しかし、それらを考慮した上でも、わざと無理矢理に考察してみましょう。
今回考察するのは、彼らのライブでも必ず演奏される代表曲である『HE IS MINE』です。
ファンに育ててもらった曲
確かに、一部のアーティストやバンドは複雑な心情や気持ちを歌詞に込めていると思いますが、多くのアーティストやバンドの曲にはそれほど深い意味が込められているとは言えないかもしれません。
歌詞を書く人たちは一般の人々であり、作家や詩人ではありませんから、伏線を張ってストーリー仕立ての曲を作ることは稀かもしれません。
どこかで読んだ記事によると、尾崎さん自身が「この曲はファンに育ててもらった曲」と述べていたそうです。
この言葉からは、元々はライブで必ず演奏されるような曲として制作されたわけではないことが分かります。
おそらく、ライブで演奏するたびにファンが大いに盛り上がってくれたからこそ、毎回演奏されるようになり、代表曲として認知されるようになったのかもしれません。
それでは本題に入りましょう。
個人的には、バンドのメンバーが飲み会をしている中で、「今度会ったらセックスしよう」という冗談めかした発言がきっかけで、実際に曲が作られてしまったような、悪ふざけ的な曲の印象を受けます。
ただ、これは私の個人的な感想ですので、他の人々がどのように感じるかは異なるかもしれません。
「HE IS MINE」という曲は、その直訳である「彼は私のもの」というフレーズからも分かるように、女性の視点から歌われていることは間違いありません。
みっつ数えて彼女になって よっつ数えて大人になったよ
今度会ったら何をしようか もうこれで終わりかもな
「みっつ数えて、よっつ数えて」というフレーズはおそらく時間の速さを表現しており、気づいたら彼女になっていて、そしてすぐに大人の関係に進んでしまいました。
彼女側は今後どうするかを考えながら、もしかしたらこれは一夜限りの関係かもしれないと思っているのかもしれません。
愛・・・・してない訳 無い・・・・けどさ
このフレーズはおそらく彼女からの質問に対する答えであり、彼女が「私のことを愛しているの？」と聞いた後の返答だと思われます。
男性の少し迷いがある口調で、「愛してないわけじゃない」という言葉が返ってきて、それが彼の頭の中で繰り返される様子が描かれています。
みっつ数えて何が始まる よっつ数えて曲が始まる
なんだ世界は幻だった もう何もないかもな
みっつ数えて悲しくなった よっつ数えて楽しくなった
なんか意味がわかんなくなった もうこれで終わりかもな
「愛してないわけじゃない」という言葉を考え込んでいるうちに、結局この恋は虚像で、中身は何もないことに気づきました。
そして最も悔しいのは、それが真実だということです。
今度会ったら何をしようか
今度会ったらキスをしようか
今度会ったら何をしようか
今度会ったら 《セックスしよう》
この言葉が男性が発したものなのか、彼女の想像上の男性が発したものなのかはわかりませんが、結局男性は肉体的な関係を求めているだけであり、彼女側は真剣な恋を望んでいたのに、結局男性は肉体的な目的しか持っていなかったのです。
率直に言って女性側には救いがなく、彼女は遊ばれてしまった悲しい恋の結末になってしまいました。
実際、ライブで女性が「セックスしよう！」と叫んでいる光景はかなり問題的かもしれませんね(笑)。
女性は完全に遊ばれている曲であり、女性からすればその男性はただのクズに思えるでしょうが、音楽に乗せることで気持ちよく叫んでしまうのです。
おそらく深い意味よりも、言葉の組み合わせで成り立っている曲のような気がします。
ひどい歌詞だと思いながらも、私は『HE IS MINE』が大好きです。
そのうち対になる曲である「she is fine」についても触れてみたいと思います。
以上です。
