【合法的トビ方ノススメ/Creepy Nuts】歌詞(リリック)の意味を考察、解釈する。

「Creepy Nuts(クリーピーナッツ)」というアーティストは、これまでヒップホップやラップを聴いたことがなかった人たちにも魅力を提供している。
彼らの人気曲「合法的トビ方ノススメ」は、その難解な歌詞が印象的な一曲である。
この楽曲が何について歌われているのか、そして楽曲に込められた意味を探求してみましょう。

「キミ」に快感を提供する

『Creepy Nuts(クリーピーナッツ)』は、ラッパーのR-指定とDJのDJ松永によるヒップホップユニットです。
彼らは音楽シーンだけでなく、ドラマやバラエティ番組にも出演し、幅広い活動を展開しています。
過去には数々のヒット曲を生み出してきましたが、特に2018年にリリースされた楽曲『合法的トビ方ノススメ』は人気が高まりました。

この楽曲のタイトルからもわかる通り、そのインパクトは非常に強烈です。
しかし、この楽曲が何を伝えているのかを理解するために、まずは楽曲のミュージックビデオの冒頭シーンに注目してみましょう。
ポスターには「ダメ!ゼッタイ!」と「愛する自分を大切に」というメッセージが表示されています。
このシーンから考察すると、「トビ方」の「トブ」とは、おそらく薬物の使用や薬物の使用状態を指している可能性があります。

したがって、「合法的トビ方ノススメ」というタイトルは、薬物を使用せずに楽しむ方法を提唱していることを示唆しているかもしれません。
これを踏まえて、歌詞を詳しく検討してみましょう。

溜めに溜めたフラストレーション
パッと開放するマスターベーション
どうしたの
皆さんファーストデート
みたいに緊張しているマスカレード
ポーカーフェイスの裏側でも

いけない欲望 渦巻いてそう
パンクしそうなら ぶちまけろ
気持ち良い事しよう
One Shot!

冒頭では、不安や焦りを感じる人に対して、まるで誤った方向へ進めるかのような歌詞が特に印象的です。

錠剤? 液体?
はっきりとしない実体
それは気体か固体
聞きたいか答え?

イキたいとたえずのたまう
キミの期待に応える

この部分でも、ドラッグに関連するような歌詞が続きますが、特に注目すべきは「キミの期待に応える」というフレーズです。
主人公は明確な意志をもって、「キミ」に快感を提供すると言っているように見受けられます。
では、どのような方法が採用されているのでしょうか?

マイクとターンテーブルさえあれば

砕いて裂いて巻いて
焚いて吸って吐いても
まして炙って打っても得られない快感
たまらず Give Some More

続く歌詞から明らかなのは、主人公が提供する快感が非常に中毒性が高いことです。
しかし、それは物を砕いたり巻いたり吸ったりして得るものではないようです。
では、一体、主人公が提供する快感の正体は何なのでしょうか?
その答えは、次のフレーズに明示されています。

耳から体内に入る
脳内を蝕み侵すポイズン
再生するたび息吹き返す
お前の価値観 弄くり倒す Yo!
いつだってグルービーに君臨する
世界の中心Yeah!
ハマっちまったら終身刑
そのDrugの名はMUSIC

この歌詞から明らかなのは、主人公が「音楽」を介して、薬物と同様の快感を提供すると主張していることです。
これはまさに、Creepy Nutsの2人から私たちに向けられたメッセージのように思えます。

高層ビルの谷間から海の向こう
蔓延するSex&Drug&Rock&Roll
調教済みのブタ共は声あげろ
超越するSex&Drug&Rock&Roll

とっくのとうに外れたブレーキ
逆らえない本能
Crystalmethもpurple Hazeも
場末の安女郎も
無くても平気
シラフでもクレイジー
タンテとマイクロフォンよこせ
合法的なトビ方を心得よ

世の中には快楽的なものがたくさん存在しますが、そのようなものは必要ありません。
R-指定のマイクとDJ松永のターンテーブルさえあれば、「合法的にトベる」ことができるのです。
この楽曲には、2人からの熱いメッセージがこめられているようです。

ヒップホップを通じてみんなに快感を

この曲は、繰り返されるサウンドが中毒性があり、非常にかっこいいものですが、特に注目すべきは歌詞です。
ラップをあまり聴き慣れていない人には、歌詞が見過ごされがちかもしれませんが、後半の歌詞はアーティストとしても人間としても非常にクールです。
「気持ち良い事しよう」というフレーズから始まるその歌詞は、印象的なものです。

気持ち良い事しよう
巻いて 焚いて 吸って 吐いて
炙って 打って おっかないぜ
酔っぱらって 抱いて
寄せてやめてよして 縁が無いぜ

「ヒップホップ」という言葉は、ドラッグやアルコールなどダークなイメージを抱く人もいるかもしれません。
しかし、Creepy Nutsの2人にとって、むしろ縁のない存在です。
そのため、次の歌詞のように、ヒップホップを通じてみんなを快感に導こうとしているようです。

洒落てなくて 小汚くて
土臭くて 品が無いぜ
ろくにRollもできねぇなら
ヒップにホップで飛んじまえばイイ

「Roll」は「ロックンロール」のことなのでしょうか?
ロックを否定するつもりはなく、むしろ「自分たちにはできないからヒップホップを選んだ」という旨の歌詞が非常に格好良いと思います。
ぜひ皆さんもこの曲を含むCreepy Nutsの素晴らしい楽曲に耳を傾け、快感の世界へ飛び込んでみてください!