ドラマ『義母と娘のブルース』のエンディングテーマであり、2018年に大ヒットしたMISIAの『アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)』。
この歌は、素直な言葉で普遍的な愛情を表現した歌詞が特徴で、その意味を詳しく解釈してみましょう。
愛について深く考えさせられる
多くの楽曲が映画やドラマのテーマソングに選ばれ、デビュー20周年を越えてなお多くのファンを魅了し続けるMISIA。
2018年8月22日にリリースされたシングル『アイノカタチ』は、彼女のデビュー20周年を記念した楽曲です。
この曲はTBS系ドラマ『義母と娘のブルース』の主題歌としてGReeeeNが作詞作曲を手がけ、HIDEメンバーがコーラスに参加しています。
また、亀田誠治によるアレンジも加えられ、日本の音楽界を代表する才能が一堂に会した作品となっています。
GReeeeNは『愛唄』を含むキャッチーなメロディと感情を率直に表現する歌詞が特徴で、そのスタイルがこの楽曲でも発揮されています。
『アイノカタチ』は、その深い愛情が表現されており、MISIAの美しい歌声がこれに一層の感動を加えています。
この曲は先行配信段階から主要音楽チャートで1位を獲得し、その年を代表する人気曲となりました。
さらに、2020年からは自動車のCMソングとしても使用され、再び注目を集めています。
この楽曲の歌詞は愛について深く考えさせられるものであり、その意味について詳しく解説していきましょう。
深い愛情は幸福をもたらす
あのね いつの間にか 気づいたんだ 愛に もし カタチがあって
それがすでに わたしの胸に はまってたなら
きっとずっと 今日よりもっと あなたのことを知るたびに
そのカタチはもう あなたじゃなきゃ きっと隙間を作ってしまうね
この楽曲は、歌詞を通じて「主人公の女性が大切な人に向けて語りかける形式」が特徴です。
彼女は「愛が具体的な形を持っていればいいのに」と思い、愛の在り方は人によって異なることを表現しています。
彼女の内なる世界には、「あなた」という存在があり、その人を知るごとに満たされる気持ちになるのです。
印象深いのは、「他の誰かを考えても同じ気持ちにはならない。あなたじゃないと、心に隙間ができてしまう」という言葉。
たとえば、愛が円形であれば、三角形や四角形には収まらず、同じ円でも大きさが違えばうまくはまらないことがあります。
しかし、彼女がその特定の人を思うときだけ、ピッタリと収まる部分が出てきて、心が完成するのです。
タイトルの「アイノカタチ」は、誰しもが持っている愛の在り方を指しています。
彼女が歌うことで、愛は形を持たなくても、特定の人を思う瞬間にだけ、心が満たされる大切な存在なのだと伝えています。
あのね 大好きだよ
あなたが心の中で 広がってくたび
愛が 溢れ 涙こぼれるんだ
歌詞のサビ部分では、「大好きだよ」という率直な愛情の言葉が歌われています。
また、「あなたが心の奥底に拡がっていく」とは、相手を知ることで愛情が深まっていくプロセスを表しているのでしょう。
その結果、「愛が溢れる」と涙が溢れ出る瞬間が訪れるのです。
この楽曲は、深い愛情を抱く人が存在することから生まれる幸福感や、その人によって心が充たされることによる感動が歌われています。
彼女の歌声を通じて、深い愛情がどれほどの幸福をもたらすかが伝わってきます。
あなたがどれほど大きな存在であったか
これから沢山の 泣き笑いを 知るたびに増えていくの
飛び出たとこ へこんだとこ 二人になってく
時にぶつかり すり減って そして また 埋めあっていけばいい
一緒に長い時間を過ごすことで、楽しい瞬間が増える一方で、問題や誤解も増えていくことは避けられません。
こうした経験を通じて、お互いに「際立った部分」と「弱点」を理解することになります。
しかしこの理解は、単なる知識だけではなく、お互いがどのようにして支え合い、補完し合えるかを考えて、共に歩む関係を築いていくものです。
時には対立し、衝突することでお互いがすり減り、傷つきながらも、そこから学び成長し、足りない部分を補い合うことで、二人は成長していくのです。
大好きなあなたが
そばにいないときに ほら 胸が痛くなって
あなたのカタチ 見える 気がしたんだ
「大切なあなたが近くにいないだけで、心が痛む感覚が広がってしまいます。」
実際に離れている時間は辛く、もし永遠に離れてしまうことを想像するだけでも辛く感じられるでしょう。
永遠の別れとなる死別は、これほど深い悲しみをもたらすものはないでしょう。
しかしながら、失うことで初めてその人への愛情やその存在の重要性を感じることもあります。
自分の心の中で「あなた」がどれほど大きな存在であったかを認識すると、愛おしさが一層増すでしょう。
縁や愛してくれたことへの感謝
あのね 大好きだよ
何万回も 伝えよう 温かく増えた想いは
全部 アイノカタチです
人はいずれ死別し、永遠に別れが訪れる瞬間がやってきます。
この別れは通常突然やってきて、未だにできていないことに後悔の念が生まれることもあります。
この現実を認識すれば、「何度でも」という限りない回数で愛を伝えたいと思うでしょう。
この気持ちは温かく心を満たし、相手を完全に理解し、包み込むことを望む願いから生まれます。
この願いは愛情を一層深め、心を満足させるものであり、永遠に続くような愛の表現を望むものと言えるでしょう。
ずっと ずっと 大好きだよ
あなたが心の中で 広がってくたび
愛が 溢れ 涙こぼれるんだ
星の数ほどの中 ただ一人のあなたが 心にいるんだ
あのね あのね ずっと 大好きだよ
大好きだよ ああ ありがとう
彼女はどれだけ歳月が流れても、「永遠に大好きだよ」という気持ちが変わることはないと信じています。
「星の数ほど」という言葉は、多くの人々を指すだけでなく、星が亡くなった人を象徴することも含意しているのではないでしょうか。
人生にはさまざまな出会いが訪れるでしょうが、心の中の空白を「アイノカタチ」で埋めてくれるのは、たった一人の「あなた」だけです。
たとえその人が亡くなり、目の前から消えてしまっても、共に過ごした時間や共有した愛が、心を満たし続けてくれるのです。
最後の部分では、自分と交わった縁や自身を愛してくれたことへの感謝の念が、しっかりと表現されているようですね。
まとめ
MISIAの代表的な楽曲である「アイノカタチ」は、愛のあたたかさと力強さが響く名曲として高く評価されています。
恋人や夫婦の愛、家族との絆など、さまざまな愛のかたちが人々をつなぎとめる要素となっています。
そのため、個々のリスナーは自身の状況に応じて歌詞を受け止めるでしょう。
心を揺さぶられる素晴らしい楽曲であり、自分自身の「アイノカタチ」について考えてみるきっかけとなることでしょう。
