海外でも人気のthe pillows(ザ・ピロウズ)の代表曲である「Funny Bunny(ファニー バニー)」は、多くのアーティストによってカバーされ、その魅力を受け継いでいます。
この曲には深い感情が込められており、歌詞の解釈も興味深いものとなっています。
歌詞の意味を解明することで、曲の魅力が一層引き立つことでしょう。
「Funny Bunny」は、特に歌い出しからサビ前までの歌詞が、ファンの中で感覚的に受け取られることがあるとされています。
しかし、今回、全ての歌詞について詳細に解釈してみました。
その結果、難解と言われている冒頭の歌詞からも、一人の女の子が夢を追いかける姿と、主人公である「僕」のロマンチックな出会いが浮かび上がりました。
そして、二人は引き裂かれてしまう運命に翻弄される様子が描かれています。
王様の声に逆らって
ばれちゃった夜、キミは笑っていたオーロラにさわれる丘の上
両手をのばして、僕を誘っていたほどけてバラバラになったビーズ
キレイだねって、夜空にプレゼント
まず、一節ずつ内容を分析し、背景を明らかにしてみましょう。
「王様の声に逆らってばれちゃった夜」は、権力者に反抗し、それが発覚した夜を指しています。
そして、「キミ」は、その行為が非常に危険であるにもかかわらず、「笑っていた」ということから、自分の信念に忠実である「キミ」の姿勢が描かれています。
「オーロラにさわれる」ような美しい「丘の上」で、「僕」を誘う様子から、「キミ」は女性である可能性が示唆されます。
オーロラの柔らかい光が広がり、その中に女性の髪が波のように広がっている様子を想像すると、「キミ」は美しい夜空の象徴のように思えます。
この情報から、「王様」が「キミ」の厳格な父親であると仮定すると、以下のストーリーが浮かび上がります。
自分の信念を貫くために、父親に反抗した女性が、その行為が明るみに出た際に、父親から暴力を受けた可能性があります。
さらに、プレゼントとしてもらったビーズのアクセサリーが壊されたことから、怒られて辛い状況にありながらも、その損失を笑顔で受け止める「キミ」が描かれています。
その後、「僕」はビーズを再び「プレゼント」し、星空のようなキラキラと輝く髪を持つ「キミ」に感嘆の言葉をかけたという場面です。
しかし、まだ「キミ」が父親に反抗してまで貫きたかった信念については明らかにされていません。
続きを見て、この信念について詳しく探求してみましょう。
道化師は素顔を見せないで
冗談みたいにある日居なくなった世界は今日も簡単そうにまわる
そのスピードで涙も乾くけど
最後まで「素顔を見せない」ままの「道化師」は、辛い瞬間にも決して本当の感情を表に出さず、いつも笑顔を保っていた「キミ」を指しています。
この後の歌詞によって、「キミ」がいかに「王様」のような厳格な父親に抗い、夢を追求したかが明らかになります。
父親に逆らって、自分の夢を追求しようとした「キミ」は、前の歌詞に描かれたある日の夜、ついに父親と対立し、彼の理解を得られないと悟り、家を出る決断をしました。
「僕」は何も言わずに姿を消してしまい、その後、冗談だろうと考え、すぐに「キミ」が戻ってくることを期待していました。
しかし、世界は「キミ」を失っても変わらずに回り続け、時間は流れ続けました。
この目まぐるしい現実に、泣き続けることも許されず、しかし、「僕」の中では「キミ」の存在が大きく、別れの悲しみを忘れることはできませんでした。
キミの夢が叶うのは
誰かのおかげじゃないぜ
風の強い日を選んで
走ってきた
「キミ」との突然の別れに苦しんだ「僕」ですが、今では「キミ」と再び会うことは叶わない現実を受け入れ、彼女へのエールを歌います。
歌詞の中で「夢が叶うのは誰かのおかげじゃない」という部分から、大切な人である「キミ」が、自分の夢を追求する際に他人の期待や評価にとらわれず、自分の信念を貫いてきたことが伝わります。
そして、夢が実現するのは、「キミ」が向かい風のような逆境に立ち向かい、夢に向かって努力し続けた日々があったからであると歌われています。
「キミ」がどこにいるのかを知ることはできなくても、離れていても「僕」はずっと彼女を見守っているという温かいメッセージが歌詞に込められています。
今頃どこでどうしてるのかな
目に浮かぶ照れた後ろ姿に
会いたいな
遠くから「キミ」への応援を決意した「僕」ですが、時折、思いがけない瞬間に「キミ」のことを思い出し、「今頃どんな風に過ごしているんだろう?」と、寂しさと「会いたい」気持ちが胸に迫ります。
歌詞の冒頭で述べられたビーズのエピソードのように、時折「僕」はちょっとしたキュートな仕草で「キミ」を照れさせていたことでしょう。
その結果、「キミ」の「照れた後ろ姿」が浮かび上がります。
「キミ」は父親に反対される夜でも、涙を見せずに笑顔を維持していたように、「道化師」のように本心を隠していたかもしれませんが、照れている時には本当の自分を見せていたのかもしれません。
このため、「僕」にとって、「照れた後ろ姿」は「キミ」が一番本音を表現していた瞬間だったと思われます。
それゆえに、その姿に最も会いたいと思うし、最終的には「道化師」の仮面を取らずにいた「キミ」に、もっと本当の自分を見せて欲しいという「僕」の真実の願いが表現された歌詞と言えるでしょう。
また、この歌詞は夢を追いかける人々に向けて、「誰に反対されても、自分らしくいることが大切だ」というメッセージも込められています。
キミの夢が叶うのは
誰かのおかげじゃないぜ
風の強い日を選んで
走ってきた 飛べなくても
不安じゃない地面は続いているんだ
好きな場所へ行こう
キミなら それが出来る
「夢」に向かって空へと飛び立つことが難しいと感じたときも、安心してください。
「地面は続いているんだ」ということから、「飛べなくても」地道に進んでいくことができます。
夢に向かって努力し、近づこうとした瞬間、練習や手段が思うようにいかないことや、その意味を見失うことがあるかもしれません。
しかし、そんなときこそ、「飛べないなら走って進もう」という考え方が役立ちます。
新しい方法やアプローチを見つけ、夢に近づく努力を続けることができるでしょう。
また、「好きな場所へ行こうキミなら それができる」という言葉は、夢を追いかけるために今どこにいるのかが分からない「キミ」への励ましであり、同時に、夢を追求し続ける人々全般へのエールとも言えます。
逆境に立ち向かいながら、夢への道を切り拓いていくすべての人に対する応援のメッセージが込められています。
the pillowsの「Funny Bunny」の歌詞を解釈しましたが、いかがでしたでしょうか?
この曲は素晴らしいサウンドと共に、感動的なメッセージを持っており、一度聴けば心を掴まれ、忘れられない力があります。
さらに、この曲は様々なアーティストによってカバーされており、その普遍性と素晴らしさを証明しています。
これからも多くの人々によって歌い継がれ、愛されることでしょう。