【くちばしにチェリー/EGO-WRAPPIN’】歌詞の意味を考察、解釈する。

多様な音楽ジャンルを融合させた独自のメロディで知られる音楽ユニット、EGO-WRAPPIN'(エゴラッピン)。
その中でも特に人気の高い楽曲「くちばしにチェリー」にスポットを当てて探ってみたいと思います!

ドラマ主題歌、PVも必見

2002年7月にリリースされたこのセカンドシングルは、今なお高い人気を持ち、ライブでのスタンダード曲として、またエゴの代表曲としての地位も築いています。

主演の永瀬正敏がエゴのファンであったことから、ドラマ「私立探偵 濱マイク」の主題歌として特別に制作された楽曲です。
この歌は、夏の蒸し暑さや活気あるアップビートなメロディが心地よく、その一方でボーカルの抑揚が鼓膜に鮮やかに残り、極彩色のPVは楽曲の雰囲気を見事に反映しています。


密林や色鮮やかな遊郭を彷彿とさせるスタジオ内を行き交うシーンでは、力強く演奏するメンバーの姿が洒落た雰囲気で描かれています。
真夏にふさわしい極彩色のPVは、エゴの魅力が満載であると言えるでしょう。
ちなみに、この楽曲には各楽器の個性がしっかりと発揮される瞬間が絶妙に配置されており、ライブではメンバーの熟練の技術を披露する場面としても活用されています。
もちろん、盛り上がりが最高潮に達する中盤で演奏されることが多いです。

歌詞の意味を独自に解釈

それでは、歌詞にフォーカスしてみましょう。
ただ、この歌詞にはあまり意味が見当たらないようにも思えますが、果たしてどうなのでしょうか?

なげかけた感嘆と砂ぼこりの中のステップ ながめて過ごすダイヤル
弧を描くナンバー はき出す出口 戸惑う 1日中泣いても意味ない Walkin’ 熟れてく果実

とりあえず、情報が少ないこの歌詞を半ば妄想しながら解釈してみましょう。
“ステップ” という言葉から素敵なダンサーに恋をしてしまったのかもしれません。
物語の主人公は、どこかの郊外に住む女の子。
歌詞の “砂ぼこり” から乾燥した地域、例えばテキサスのような場所を想像してみましょう。
彼女はあるお祭りで、特定のダンサーに目を奪われ、恋に落ちてしまうようです。
魅惑的な仮面をかぶったダンサーとの一夜の情熱に彼女は高揚します。
しかし、別れ際にダンサーは電話番号を渡したものの、数日たっても電話がかかってくる気配はありません。
会えない日々は、彼女の心情を熟成させるばかりで、彼女の想いは日々膨らんでいくのです。

おとしてよチェリー 見上げた空 飛ぶ鳥運ぶ
くちばしにチェリー 競うスピードより重要なのは着地

そうだな、この恋の想いを鳥に託して届けてくれればいいのに。
彼女の心の中では、そんなイメージが広がっている。
彼の元へ、そっと運ばれる果物のような愛の気持ちを想像しているんだろう。

チェリー いつまでもUP BEAT 届けてよ胸にもっと 赤が美しいことを
一寸先闇 赤をもっとおくれ くちばしにチェリー 不純けちらして行こ
後光射す明日へ着地

心臓はドキドキと高鳴るばかりで、彼に会いたい気持ちはますます膨らんでいく。
この情熱的な恋の赤い炎を、どうにか伝えてほしい。
どこからか、彼女とダンサーの密会を耳にした人々が「純粋でない」という噂を広めるけれど、そんなことは気にせず、この思いを未来に繋げていきたい。

飛ぶ鳥よチェリー 熟れていく果実の誘惑 ほおばって 鮮やかなハイドロップ ロック
しびれるよチェリー 乾いた朝 パパイヤの誘惑
くちばしにチェリー さえずったらまっさかさま

恋に心を開いた彼女は、日に日に魅力的で官能的な変化を遂げていく。
これまで地味だった少女の魅力に気付き始めた地元の男性たちは、その誘惑の実を手に入れようと言い寄ってくるが、彼女の心は未だダンサーに向かっている。
異なる男性の腕で眠る夜でも、彼女の心を揺さぶるのは、あの日のダンサーのリズムなのだ。