映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』の主題歌、SUPER BEAVER(スーパービーバー)の『儚くない』。
この曲は、誰もが自分自身を投影できるような命や人生に関するテーマを大切にした1曲です。
今回、『儚くない』の歌詞の意味をじっくり考察してみましょう。
慣れないゆえの美しさ
いつまでもないと わかっていても
いつまでもあってほしい
僕は死ぬことが 年々怖くなってる
その弱さは 憎めないな
主人公は「いつまでもあってほしい」と願うことについて、仲間や恋人との絆が影響しているのかもしれません。
次の歌詞には「僕は死ぬことが 年々怖くなってる」と歌われており、大切な人々の命への願いが表現されている可能性もあります。
人生が進むにつれて、主人公は大切な人々が増え、今の幸せを失うことが怖くなっているようです。
これらの描写は、愛すべき弱さを持つ主人公の特徴を浮かび上がらせています。
タケミチがヒナタの死や東京卍會の崩壊を阻止しようと奮闘する姿にも、共通するテーマ性があります。
次の歌詞を見ることで、さらに深い洞察が得られるかもしれません。
なくなるから 大事にするんじゃない
大事だから なくなれば 辛いんだろう
タケミチは、大事な人がいなくなる未来の可能性を知ってしまいます。
「なくなるから大事にするんじゃない」というフレーズは、彼の信念を表すものであり、そうした考え方が彼自身の特徴となっています。
人を大切に思う気持ちは、必ずしも理由を必要としません。
この一節は、そのような洞察を与えてくれるものですね。
そして、次にサビの歌詞が続きます。
儚いから美しいなんて
命には当てはまらなくていい
慣れないから美しいんだねって
笑いながら しぶとく 僕は 生きていたいよ
願わくば 一緒に
花は咲いては枯れ、命は生まれては消えていく。
その美しさには「儚さ」が理由として挙げられることは自然なことです。
しかしこの歌では、「儚いから美しい」というのではなく、「慣れないから美しいんだ」と歌われています。
人生が長くても短くても、1つ1つの瞬間に真摯に向き合い、不器用でも不器用なりに歩んでいくことが大切です。
そして、それを大切な人と共有することで、人生はより一層美しく感じられるのでしょう。
この「慣れないゆえの美しさ」を大切にし、仲間とともに笑い合いながら生きていく気持ちが伝わってきますね。
今からどう生きるか
いつまでもないと わかっていても
そのとき 涙は溢れるだろう
でも 僕は幸せが 年々怖くなくなってる
この心は 誇っていたいな
大切な人との日常は永遠には続かない。
人生には必ず別れの瞬間が訪れます。
それでも主人公は、「幸せが年々怖くなくなってる」と述べています。
きっと彼は「失った時にどうしよう」といった余計な心配にとらわれず、今を大切に生きることができているのでしょう。
なくなるなら 気づきたくなかったかい
気づけたから 救われた 夜もあったろう
大切なものを失ったとき、初めてその大切さに気づくことは、よくあることです。
失って傷つくのであれば、「大切さなんて知らなくていい」とか「1人だって構わない」と考えるのも無理はありません。
しかし、逆に自分が孤独で辛いときにこそ、真の「大切」を見つけることがあります。
特に仲間との繋がりは、その最たるものでしょう。
彼らが手を差し伸べたり、背中を押してくれたりし、共に戦い、共に向き合っていることで、大切さに気づくことができます。
そして、そのような尊い仲間たちによって、孤独な夜を乗り越え、救われる瞬間が訪れるのかもしれません。
後悔が悪いわけじゃないんだ
その理由がいつも初めてならいい
慣れないから寂しいんだねって
笑いながら 泣いて 泣いて 今更じゃなくて
今からどう生きるって 問い続けたいよ
何度後悔しても、「その理由がいつも初めてならいい」というフレーズがあります。
多くの失敗を経験しながらも、新たな「大切」を見つけることを心に決めたいというメッセージですね。
主人公のタケミチの姿とも重なります。
彼はヒナや東卍を救うために奔走しています。
「慣れないから寂しい」とは、「うまくいかない人生だからこそ、1人では支えきれず、支え合える存在が必要になる」という意味合いでしょう。
そのような弱さを打ち明けられる相手とともに、笑いあり涙ありの人生を歩んでいくことが描かれています。
「今更」と諦めるのではなく、「今からどう生きるか」を考え、希望を持って生きていくことが素敵だと思いますね。
人生を全うする決意
人はいつか必ず会えなくなるんだろう
今じゃないと 信じたい 伝えたい
油断じゃなく 願いだ
1番と2番では、冒頭に「いつまでもないと わかっていても」というフレーズがありました。
これにより、主人公はいつか必ず来る別れの瞬間を意識していることが伺えます。
それでも彼は、「今じゃない」と信じて、大切なメッセージを伝えたいと思っているようです。
「油断じゃなく願いだ」というフレーズは、誰かの存在を当たり前だと軽んじるのではなく、尊い仲間たちと共有できる「今」を大切に生きていくことを願っているのかもしれません。
儚いから美しいなんて
命には当てはまらなくていい
慣れないから美しいんだねって
笑いながら しぶとく 僕は 生きていたいよ
願わくば 一緒に 生きていこうよ
儚くないんだよ
歪でもいい 無様でもいい ごめん やっぱり思っちゃうよ
生きてこそって 生きていてって
1番では、「願わくば一緒に」というフレーズでサビが終わりましたが、ここでは「生きていこうよ」とまで伝え切られていますね。
特筆すべきは、後半の歌詞です。
歪(いびつ)でも無様でも、「生きてこそ」。
主人公が思い描いている大切な人は、もしかするとすでにこの世にいないかもしれません。
「ごめん、やっぱり思っちゃうよ」という部分から、彼がその人が生きていてほしいという強い願いがにじんでいるように思えます。
タケミチはヒナの死を含め、多くの喪失を経験しています。
それでも彼は、ときに大切な記憶を思い出しながらも困難に立ち向かっていきます。
「儚くないんだよ」という一言は、「ともに過ごした思い出が残っている以上、故人の生きた証は消えやしない」と信じたい気持ちを表しているのでしょう。
『儚くない』には、亡くなった大切な人の姿や思いを胸に留め、ともに人生を全うしようという決意が込められているのかもしれません。
映画と一緒に楽しむのもおすすめ
今回は、SUPER BEAVERの『儚くない』の歌詞について考察しました。
この歌詞は、誰の人生にも共感できる優しさと情熱が込められていましたね。
多くの人がこの歌を聴いて、大切な人の顔を思い浮かべたことでしょう。
また、今回の考察ではタケミチの境遇を時折重ねながら、歌詞を解釈しました。
しかし、東リベには魅力的なキャラクターがたくさん登場しているため、他の登場人物に焦点を当てても同じようにエモーショナルな歌詞の世界を見出せることでしょう。
ぜひ劇場に足を運んで、「東リベ2」と『儚くない』の最強のコラボレーションを楽しんでみてください。