手嶌葵が歌う『明日への手紙』は、フジテレビ系ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の主題歌として非常に人気のあった楽曲です。
この歌は、優しく温かな歌詞で未来の自分に向けて語りかける内容となっています。
それでは、その歌詞の意味を探ってみましょう。
ドラマ主題歌に抜擢
手嶌葵の魅力的な歌声は、儚げながらも芯の強さを感じさせます。
『明日への手紙』は、彼女の人気のある楽曲のひとつです。
この曲は、2016年に放送されたフジテレビの月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の主題歌として使われ、大きな反響を呼びました。
実は、この楽曲はドラマのために書き下ろされたものではなく、シンガーソングライターの池田綾子が作詞作曲を手掛け、手嶌葵のアルバム『Ren’dez-vous』に2014年に収録されていました。
ドラマプロデューサーの村瀬健は、この楽曲を聴いた際に、主人公・音の生き様と重なる要素があり、ドラマの主題歌として選んだそうです。
ドラマバージョンとして再構成された新生『明日への手紙』は、作品の世界観を一層美しく感動的に引き立てる役割を果たしました。
この歌詞の内容を考察することで、どんなメッセージが込められているのか見ていきましょう。
希望を壊さないようにそっと抱きしめる
元気でいますか。
大事な人はできましたか。
いつか夢は叶いますか。
この道の先で
覚えていますか
揺れる麦の穂 あの夕映え
地平線 続く空を探し続けていた
歌詞の最初は静かな問いかけで始まります。
この曲『明日への手紙』は、タイトル通り、現在の自分から未来の自分へ宛てた手紙の形式をとっており、その特徴が際立っています。
歌詞では、「いつか夢は叶いますか」という問いかけを通じて、主人公が夢の実現に向けての不確かさや現実の厳しさを理解していることが感じられます。
主人公は今、厳しい状況に直面しており、「この道の先で」自分の夢が叶う日が訪れるのだろうかと考えているのでしょう。
次の部分では、未来の自分に対して思い出の風景を「覚えていますか」と問いかけています。
彼女は狭い世界の中で生きている中で、広々とした景色が心の拠り所となっていた可能性があります。
明日を描こうともがきながら
今夢の中へ
形ないものの輝きを
そっとそっと抱きしめて
進むの
彼女は今日を生きることに必死になりながらも、未来の希望を描こうともがきながら前進しています。
進む先にある「夢の中」へと進もうとし、つらい現状にも屈せず、前向きに生きる姿が目に浮かびます。
「形ないものの輝き」とは、苦しい日々の中で見つける希望の光を指しているのでしょう。
彼女は自らを支える希望を大切にし、それを失わないようにしようとしています。
「そっとそっと抱きしめて 進むの」というフレーズがそれを示しています。
帰る場所はちゃんとある
笑っていますか
あの日のように無邪気な目で
寒い夜も雨の朝もきっとあったでしょう
ふるさとの街は帰る場所ならここにあると
いつだって変わらずに あなたを待っている
「あの日」というフレーズが登場することから、彼女は過去の思い出を回顧しているようです。
歌詞では、「笑っていますか あの日のように」と問いかけられています。
現在は笑うことが難しい時期でも、過去には無邪気に笑っていた瞬間があったことを思い出しているのかもしれません。
自然に笑うことができない今、未来の自分はまたそのような笑顔に戻れるのだろうかと不安になるのは自然な感情でしょう。
「寒い日」や「雨の日」と表現されるような辛い瞬間が、何度も訪れたことでしょう。
しかし、そんな時にも「帰る場所ならここにある」と、彼女はふるさとがいつでも温かく迎えてくれることを心に刻んでいます。
この思いを忘れずに、未来の自分を励ましているのです。
明日を描くことを止めないで
今夢の中へ
大切な人のぬくもりを
ずっとずっと忘れずに
進むの
「明日を描くことを止めないで」というメッセージは、生きることをあきらめずに前向きに励ます言葉です。
未来を描くことは、希望を抱くことでもあります。
希望を持ち続けることで、夢に近づく可能性も高まるでしょう。
どんなにつらい時でも、希望を失わないように「大切な人のぬくもり」を忘れないようにと伝えられています。
過去に出会った大切な人々から受け取った温かさや優しさを心に留め、孤独ではないことを再認識することで、心が支えられるでしょう。
道のりの先に夢はある
人は迷いながら揺れながら
歩いてゆく
二度とない時の輝きを
見つめていたい
誰しも「人は迷いながら揺れながら」道を歩んでいます。
時にはつらい状況に直面し、すべてを諦めたくなることもあるでしょう。
しかし、その過酷な日々の中にも輝くような瞬間が確かに存在します。
ただ、その瞬間を見逃してしまえば同じ時は二度と戻ってこないのです。
だからこそ、彼女は一つひとつの輝きを見逃さないように「見つめていたい」と語っています。
彼女の前向きさがそこから伝わってきますね。
明日を描こうともがきながら
今夢の中で
形ないものの輝きを
そっとそっと抱きしめて
進むの
最後のサビは1番のサビとよく似ていますが、「今夢の中へ」から「今夢の中で」に表現が変わっています。
最初はまだ夢の中へ向かって進んでいた段階でしたが、今度は夢の中に既に入り込んでいる状況を示しているようです。
夢を抱く瞬間から、その人の夢への旅が始まっているのです。
どれほど届かないと感じる夢でも、今という時の延長線上に願う夢は存在します。
そう考えれば、自分を鼓舞して頑張る力が湧いてきますね。
この楽曲のテーマは希望です。
現実が厳しく過酷であっても、未来への希望を持ちながら歩むことの重要性を教えてくれます。
明日への支えになる一曲
手嶌葵の『明日への手紙』は、切ないメロディと心温まる歌声が共鳴するバラードで、聴く人の心を癒してくれます。
日々を一生懸命に生きる全ての人々の苦しみや悲しみに寄り添い、優しく励ましてくれる歌詞は、涙を誘うことでしょう。
YouTubeで公開されているミュージックビデオは、ドラマと連動し、ドラマ本編へと繋がるエピソード0のシーンが描かれています。
ドラマのファンなら、より一層心に響くことでしょう。
疲れた時や人生に悩んだ時には、きっと『明日への手紙』が明日への支えになってくれるでしょう。
