ドラマ『やんごとなき一族』の挿入歌としてwacci(ワッチ)が書き下ろした『恋だろ』は、愛の魅力を思い起こさせる素敵なラブソングです。
感情に共鳴する歌詞の意味を解説します。
自分にも芽生えてくれた
ポップロックバンド・wacciの『恋だろ』は、2022年4月15日に公開されました。
この楽曲は、フジテレビ系ドラマ『やんごとなき一族』の挿入歌として使用されました。
『恋だろ』は、身分差のある男性と女性の結婚をきっかけに展開するアフターシンデレラストーリーを美しく表現する優しいラブソングとして注目を集めています。
また、MVでは人気若手俳優の曽田陵介と雑誌「Seventeen」のモデルで女優の永瀬莉子が共演し、淡い恋模様をドラマ仕立てで描くことで、ファンの心を魅了しています。
『恋だろ』の歌詞は、ボーカルの橋口洋平によって作詞されており、その意味を考察することで、一層楽曲の魅力が深まります。
僕はこの世界で第何位で 君はこの世界で第何位だ
身の程はわきまえているつもりだ 身の程知らずは笑われちゃうからなのに君のその笑顔に 肩までの髪に なんとかって服に
くすぐるようなその笑い声に 夢中になってバカみたいでもこんな僕にもちゃんと芽生えてくれた
この気持ちを認めてあげなくちゃね
主人公は自分の地位や価値について考えながら、「この世界で自分は何位に位置するのだろう?」と自問自答しています。
同時に、彼は相手の女性に対しても同じ疑問を抱えており、「君はこの世界で第何位なのだろう?」と、自分と彼女の立場の違いに思い悩んでいます。
そして、「身の程はわきまえているつもりだ」というフレーズから、自分の順位が非常に低いと感じており、彼女に近づいていい存在ではないと思っていることが分かります。
もしかしたら、彼は周囲からもそのような言葉を耳にしてきたのかもしれません。
しかし、彼は彼女の笑顔や笑い方、髪型や服装にさえ心を惹かれ、彼女に夢中になっていくのを感じています。
それは自分には相応しくないと感じつつも、「馬鹿みたい」と自嘲しつつも、自分にも芽生えてくれた人を愛する気持ちを純粋に受け入れたいという想いを表していますね。
僕は君が好き
君を想う気持ちだけで言えば 僕はこの世界で第一位だ
そんな恥ずかしいだけの言葉が しっくりくるのが 笑っちゃうよなもしも君を泣かせるような 悪いやつがいたら 僕に言ってよ
威勢よく飛び出して駆けつけて 震えながら 守るからねえ こんな時だけ 神様よ 聞いて
いつか僕だけの君にならないかな
2番では、主人公は自分の世界での順位にはこだわることなく、「君を想う気持ちだけ」が大切だと自信を持っています。
一途な気持ちが自分の心に芽生えることを、少し恥ずかしく感じながらも認めているようです。
彼は大切な「君が泣かせられるような悪いやつが現れたら」、自分が助けてあげたいと強く願っています。
言葉では威勢よく飛び出して駆けつけると言いながらも、「震えながら守る」と伝えているところに、彼女を守るためには自分自身が怖くても頑張りたいという健気な思いが感じられます。
日常では神様を信じていないかもしれませんが、「いつか僕だけの君になってほしい」と神様に願うほどに彼女を熱望しています。
優しさも 素直さも 少しずるい 愛嬌も
明るさに 潜む影も 一つ一つが刺さって
どうしようもないのが恋なら 素敵な残酷さが恋なら
もはや抗うでもなく自然に 僕はただ君が好き
主人公は彼女の持つ「優しさや素直さ、そして少しずるい愛嬌まで」全てを心に留めていることを打ち明けます。
彼は彼女の明るく見える表情の裏に潜む暗い感情まで、細部まで気づいてしまうことに、「素敵な残酷さ」と形容しています。
彼女の些細な行動にも目が留まってしまうのは、好きだからこそであり、つい自然とそうなってしまうようです。
このように彼女に惹きつけられる気持ちが、恋なのかもしれないと彼は考えています。
彼の気持ちに正直になり、率直に「僕は君が好き」という想いを言葉にしています。
すべての人の恋を肯定する
憧れて 諦めて また浮かべて繰り返して
何回も 僕の中で さよならしてまた出会って
言い訳も ごまかしも 嘘も何もかも全部
通用しないのが恋だな
仕方ないよな 君が本当に綺麗だから
この一節の歌詞から、主人公が何度も彼女を諦めようとしてきたことが窺えます。
しかしそれでも彼女を目にするたびに、想いが強くなり、どんな「言い訳やごまかし、嘘」も自分の心に通用しないことを理解しました。
「君が本当に綺麗だから」という理由で彼女に惹かれ、諦められないのも仕方ないと主人公は考えています。
このようにして、やっと自分の恋心を本当の意味で受け止められたのかもしれません。
性別も年齢も 家柄も国籍も 外見も年収も 過去も何もかも全部
関係ないのが恋だろ 乗り越えられんのが恋だろ
誰に断るでもなく 勝手に 今日もただ君が好き
明日もただ君が好き
それでいいのが恋だろ
この楽曲のサビには、最も大切なメッセージが込められています。
「性別も年齢も家柄も国籍も外見も年収も過去も」、恋の前では一切関係ありません。
どんな障害があっても、真実の愛なら乗り越えることができると伝えています。
周囲が反対しても、恋する気持ちを抑えることはできません。
「誰に断るでもなく勝手に今日も君が好き」という歌詞の通り、恋は一方的な気持ちから始まります。
相手が自分を好きになる保証はないし、主人公の恋の結末も不確かです。
それでも、恋はすべての障壁を乗り越えて人を愛することを許容しています。
この歌詞は、全ての人の心に宿る純粋な恋の想いを肯定し、「恋だろ」という気持ちを受け入れる暖かいメッセージが込められています。
まとめ
wacciの『恋だろ』は、さまざまな理由で恋に悩む全ての方々に力を与えてくれる楽曲です。
どんな形の恋でも間違いはなく、他人によって壊されるべきものはありません。
この歌を聴きながら、前向きに恋を楽しんでくださいね。