【分かってないよ/WurtS】歌詞の意味を考察、解釈する。

話題沸騰中の男性アーティスト『WurtS(ワーツ)』が、動画投稿サイト「TikTok」で注目を集めています。
特に人気の楽曲『分かってないよ』のミュージックビデオが、2021年5月5日に公開されました。
そこで、MVを通じて歌詞の意味や内容に迫ってみましょう。
この楽曲は、一体誰の視点から描かれているのか、どんな状況を歌っているのかを考察していきます。

MVを参考に考察

「TikTok」というプラットフォームは、音楽界に大きな影響を与え、数々のアーティストを輩出してきました。
その中でも特に注目されているのが「ワーツ」と読むアーティスト、『WurtS』です。
彼の楽曲は「神曲しかない」と評判であり、中でも『分かってないよ』は歌詞の内容が多くの憶測を呼び起こし、話題となっています。

この曲は、2021年6月にデジタルEP『MAGICAL SOUP』がリリースされる前の5月にMVが公開されました。
MVの中には、男性と二人の女性の登場人物が描かれています。
男性は清純そうなショートカットの女性と、クールなロングヘアの女性の間で揺れ動いている様子が見受けられます。

MVの冒頭では、「こんな気持ちになるのは一体、いつぶりだろうか」というセリフが男性の声で流れることから、楽曲の主人公は男性かと思われがちですが、一概には言い切れないような要素も見受けられます。

この記事では、1番がショートカットの女性の視点、2番が男性の視点という仮説のもと、MVを参考に楽曲の意味や内容を考察していきます。

何が「分かってない」のか

随分前にさ
出会ったあの頃、あの子のことでさ
私「サイテー」なんてさ
隙あればあの子のことでうんざりさ

あれから時間は経って
あれから君は泣いて
「君は理解者」なんて言われても
何も分かってないよ

MVを視聴すると、一人称「私」が使われていることから、1番はおそらく女性の視点であると仮定してみましょう。

MVでは、ショートカットの女性がよく通う喫茶店でロングヘアの女性と衝突し、その後店を出ていく様子が描かれています。

このシーンと「サイテー」というフレーズを元に考察すると、ここはショートカットの女性の視点である可能性が高いと思われます。

ショートカットの女性は、自分以外の女性の存在に何となく気づいていたものの、それを最低だと感じつつも、彼を嫌いになれないという複雑な心情を抱えているようです。

おそらくこの「君」とは彼氏のことを指しているのでしょう。

MVでは、ショートカットの女性が彼を思い描く姿も映し出されており、浮気がばれたことで様々な考えが巡り、彼女の大切さに気づき涙したのかもしれません。

また、「君は理解者」という歌詞は、「君は私を許してくれると信じている」と彼の願いを表している可能性があります。

それでは、タイトルの「分かってないよ」とは一体何を指しているのでしょうか。

サビの歌詞をチェックして、更なる意味を解明してみましょう。

葛藤を抱えている状態

分かってないよ
きっと何もかも変わらないよ
ずっと「そばに居たい」なんてこと言われても
分かってないの?
変わらないよずっと
何もかも変わらないままの現実は
「夜を明かしたい」なんて顔しても
分からないよ

1番がショートカットの女性の視点であるという仮定のもと、この部分では「まだ彼のことが好き」という気持ちが歌われているように思われます。

「ずっとそばに居たい」という言葉は、特別に言われなくても彼に対する想いを抱いていることを表しています。
彼が浮気したとしても、彼女は彼のことを愛しており、その気持ちは変わらないのでしょう。

ただ、このままの状況でいいのかどうかは分からないという葛藤が描かれているように感じられます。

自分のダメさも理解している

随分前にさ
出会ったあの頃、あの子のことでさ
僕は「サイコー」なんてさ
向き合えば君は僕を嫌うかな?

あれから時間は経って
あれから君は泣いて
「君は理解者」なんて言われても
何も分かってないよ

2番では、「僕」という一人称が使われていることから男性の気持ちであると考えられます。

彼がロングヘアの女性に興味を持ち始めた時、素直にその気持ちを伝えるべきだったのではないかという迷いが歌われているようですね。

この「君」とは、おそらくショートカットの女性のことを指しているのでしょう。
彼が浮気をしていることが発覚し、ショートカットの女性が泣いている様子が想像できます。

また、「君は理解者」というのは、おそらく彼女のセリフでしょうが、これは「友達として付き合っていこう」という趣旨の発言ではないでしょうか。
彼女はまだ彼と関係を続けようとしている様子が歌われていたことも、その考えを裏付けるように思われます。

しかし、それにもかかわらず、「分かってないよ」とのこと。

一体どういう意味なのでしょうか?
彼の心情や気持ちが複雑であることが伝わってきます。

分かってないよ
きっと何もかも変わらないよ
ずっと「そばに居たい」なんてこと言われても
分かってないの?
変わらないよずっと
何もかも変わらないままの現実は
「夜を明かしたい」なんて顔しても
分からないよ

次に、1番と同じ歌詞が歌われますが、こちらは男性の視点であり、ややニュアンスが異なります。

恐らく、「変わらないよ」というのは男性の浮気癖を指しているのでしょう。

男性はおそらくショートカットの女性がまだ自分に好意を抱いていることに気づいているかもしれません。

しかし、たとえ彼女が「そばに居たい」と言ってくれたり、「一夜を共にしたい」と願ってくれたとしても、自分の浮気癖は変わらない可能性が高いと感じているようです。

こうした男性の心情が歌われているのではないでしょうか。
彼は自分の欠点を自覚しているが故に、ショートカットの女性との関係に対して複雑な思いを抱いているように思われます。

とにかく会って話したい

でもそれでも会いたくて
何がなんでも話したくて
頭の中を駆け巡れ

2回目のサビの後は、強烈に相手を思う気持ちが歌われています。

MVでは男性とショートカットの女性が以前ラブラブだった頃の回想シーンのようなものが映し出されていることから、この歌詞はどちらかの気持ち、もしくはお互いの気持ちを表していると考えられますね。

この歌詞の後はこれまでと同じサビが続き、最後は次のフレーズで締めくくられます。

ハッピーエンドは迎えられない

分かっていたいよ
君の何もかも分かりたいよ
ずっと「そばに居たい」
「会いたい」を口にして
分かっていたいよ
変わりたいよ
今の何もかも変わりたいこんな僕達は
「夜が近い」なんて手を掴んだら
この街を出るの

「分かってないよ」から「分かっていたいよ」という歌詞に変わっていますね。

この部分は、どちらかの気持ちではなく、もしかしたら2人の気持ちを表しているのかもしれません。

心の奥底では、彼女の思いや彼氏の浮気癖に気づいているけれど、お互いのことをより深く理解し合いたいという願望が歌われているように思います。

もしもその気持ちを持って、再び愛し合うことができたら、新しい世界が広がるかもしれないという希望を抱いているのかもしれません。

しかし、MVでは2人の関係性は修復されないままで、最後は彼女の切ない気持ちと彼の手を振り払う映像で終わります。

タイトル通り、お互いの気持ちが「分かってないよ」状態でのすれ違いが続き、ハッピーエンドを迎えることは叶わなかったようです。

まとめ

今回の考察は個人の見解を元に行われたものであり、全てが同一人物の視点かもしれないし、どこかに浮気相手の女性の視点も含まれているかもしれません。

ドラマ仕立てのMVを見ながら、それぞれの考察を楽しんでみてくださいね。
異なる視点からの解釈が新たな発見をもたらすこともあるでしょう。