【リフレインが叫んでる/松任谷由実】歌詞の意味を考察、解釈する。

松任谷由実の「リフレインが叫んでる」は、古い曲ながらも時代を超越して愛され続ける名曲の一つとして知られています。
この曲は、聴く人の心を強く引きつける力があり、その魅力は歌詞のシンプルさにあると言えます。
今回は、その歌詞の意味と魅力について徹底的に考察していきます。

何を叫んでいる?

「リフレインが叫んでる」は、松任谷由実(通称:ユーミン)が1988年11月26日にリリースしたアルバム『Delight Slight Light KISS』に収録されている曲です。

この曲は、静かながらも特徴的なリズムのイントロが印象的で、ファン以外の人でも一度聞いたことがあるかもしれません。

1989年にはドラマ『東京ホテル物語』の主題歌や、三菱自動車のCMソングとしても起用されました。

作詞作曲を手がけた松任谷由実が描く男女のすれ違いは切なく、そのメロディーと相まって一度聴くと忘れられません。

さらに、Aimerや井上陽水など多くの著名アーティストによってカバーされ、時代を超えて愛される名曲となりました。

では、一体「リフレインが叫んでる」のリフレインは何を叫んでいるのでしょうか。
歌詞に込められた意味を解読していきましょう。

後悔は消えない

「リフレインが叫んでる」は、その存在感の強さで知られる楽曲ですが、歌詞の内容は非常にシンプルです。

どうして どうして僕たちは
出逢ってしまったのだろう
こわれるほど抱きしめた
最後の春に見た夕陽は
うろこ雲照らしながら
ボンネットに消えてった

大切な人との別れを経験した方々の中には、「あの時なぜ…」と後悔の念を抱く人も少なくありません。

一緒にいるときは、その大切さに気づけないこともあります。

失った後に初めて、その人との時間が限られていることを悟るのです。

幸せの頂点にいるときは、出会ったことに感謝していたのに、別れの時には出会ったことを後悔するのです。

共に過ごした幸せな日々までが悲しい思い出として心に閉じ込められることは切ないですが、相手を深く愛しているからこそ、悲しみに包まれてしまうのでしょう。

「最後の春」という歌詞からは、二人が別れた季節に思いを馳せたり、次の春を迎えられなかった恋の虚しさを想像したりすることができ、想像力を刺激されます。

ひき返してみるわ ひとつ前のカーブまで
いつか海に降りた
あの駐車場にあなたがいたようで

かつて二人で訪れた場所には、まるで愛しいあの人がまだそこにいるかのような気がします。

もちろん、現実的にはそんなことはありませんが、期待に胸を膨らませてしまう自分に未練を感じます。

愛しい人ほど、出会ったことを後悔するほどに心に深く刻まれるのでしょう。
だからこそ、その人を簡単に心から消すことはできないのです。

どうして どうして 私達
離れてしまったのだろう
あんなに愛してたのに
岬の灯冴えはじめる
同じ場所に立つけれど
潮風 肩を抱くだけ

互いに一生離れないと心に決めていたにもかかわらず、なぜか私たちは時にバラバラになってしまうことがあります。

愛していた気持ちには嘘はなかったのに、なぜか遠ざかってしまったのです。

「なぜ」という疑問や後悔は、時間が経っても消えることはないでしょう。

恋人との思い出の場所に立ち尽くしても、あの頃のように戻ることはできません。

時は無情に過ぎ去っていくだけで、取り戻せない虚しさが心に突き刺さります。

歌詞の中で繰り返し現れる「どうして」という言葉は、失恋の切なさを強く想起させますね。

多くの人が共感する想い

どうして どうしてできるだけ
やさしくしなかったのだろう
二度と会えなくなるなら

別れてしまうくらいなら、もっと大切にしておくべきだったのかもしれません。

失恋の経験がある人なら、誰しもがそう思うことかもしれません。

この世には永遠が存在せず、いつまでも続くように感じられる関係も、ある日突然終わってしまうことがあります。

もし分かっていたなら、もっと優しく接することができたのにと思います。

今さら何も変えられないと知りながらも、後悔の念は消えません。

人は忘れられぬ景色を
いくどかさまよううちに
後悔しなくなれるの

いつか、悲しみにも耐えられる強い心を持つことができるのか、後悔を感じなくなることができるのか、そんな思いを馳せてしまう気持ちが強く伝わってきます。

しかし、どれだけ苦しんでも、過ちを繰り返しても、後悔は消えることはないのでしょう。

「リフレインが叫んでる」に歌われていることは、非常にシンプルなのです。

失恋の痛みや後悔という感情は、誰もが抱える普遍的なものだからこそ、聴く人の心に広く届くのでしょう。

歌っていることはとてもシンプル

すりきれたカセットを 久しぶりにかけてみる
昔気づかなかった
リフレインが悲しげに叫んでる

2番の歌詞の冒頭で、タイトルにもなっているフレーズが登場します。

では、リフレインは具体的に何を叫んでいたのでしょうか。

どうして どうして僕たちは
出逢ってしまったのだろう
こわれるほど抱きしめた
どうして どうして 私達
離れてしまったのだろう
あんなに愛してたのに

この曲の最後では、「どうしてどうして…」というフレーズがリフレインとして繰り返されます。

過去の後悔は、思い出を追っても消えることはありません。

失った関係は戻ることはありません。

考えても仕方のないことなのに、それでも人間は「どうして…」と考え続けてしまうのでしょう。

失恋の歌は数多くありますが、『リフレインが叫んでる』が長い時間を経ても愛され続ける理由は、シンプルな悩みを歌っているからかもしれません。

この曲やその中で繰り返されるリフレインの存在は、秀逸です。

波のように押し寄せては引くように、後悔のリフレインは消えることはありません。

魂の叫びが聞こえてくるようです。

リフレインが何を叫んでいるのか、自分なりの想像をするのも楽しいかもしれません。

『リフレインが叫んでる』のミュージックビデオでは、美しい海や街並みが背景に広がり、多くの恋人たちが自分らしく恋愛を楽しんでいる様子が描かれています。
その映像と歌詞の切なさが対比して、幸福感に満ちた印象を与えます。

ユーミンこと松任谷由実は、2022年10月4日に50周年記念アルバムをリリースし、今も精力的に音楽活動を続けています。

この機会に彼女の名曲の数々に触れてみるのはいかがでしょうか。
彼女の古い曲を通じて、その才能と魅力に触れることができます。