1. ねぐせ。とは?―名古屋発の“あったかい”ロックバンドの魅力
「ねぐせ。」は、2020年に名古屋で結成された4人組のロックバンドです。結成以来、ライブハウスを中心に活動を重ね、SNSを通じて急速に注目を集めています。彼らの最大の特徴は、「宇宙でいちばんあったかいバンド」という自己紹介に象徴されるような、聴く人の心を優しく包み込む音楽性にあります。
楽曲には、青春時代の葛藤や、日常のふとした喜び、友人や恋人との関係といった、リスナーの感情に寄り添うようなテーマが散りばめられています。ボーカル・りょたちが紡ぐ歌詞は、一見シンプルながらも深く、共感を呼ぶ力があります。また、キャッチーなメロディと透明感のあるサウンドが相まって、若者を中心に高い支持を得ています。
2. 「グッドな音楽を」の歌詞に込められたメッセージ
「グッドな音楽を」は、ねぐせ。の代表曲の一つであり、彼らの音楽に対する姿勢や価値観が色濃く反映された楽曲です。この曲では、現代に生きる人々が抱えるストレスや孤独、不安を正面から見つめつつ、それを癒し、支えるものとして音楽の存在を描いています。
歌詞には、「ヘッドホン爆音塞がる心」といった現代的な孤独や、「誹謗中傷、これって重症?」といった社会的な問題を暗示するフレーズが登場します。しかし、それをただ嘆くのではなく、「ホットでグッドな音楽を歌い続けてみたらいい」というポジティブなメッセージへと昇華させていく構成が印象的です。
3. 音楽が持つ癒しと励ましの力―「グッドな音楽を」が伝えるもの
この楽曲が多くの人に愛される理由の一つは、「音楽が心の薬になる」という普遍的なテーマにあります。落ち込んだときや、誰にも相談できない不安に包まれたとき、そっと寄り添ってくれる音楽の力。それを「グッドな音楽を」はまっすぐに表現しています。
「落ち込んでいるほど真っ当に生きられるほど人は強くない」というフレーズには、弱さを認めることの大切さが込められています。そして、「気が沈んだ時こそ聞いてみよう 音楽にはそんな力がある」という言葉には、リスナーに向けた優しいエールが感じられます。ねぐせ。の音楽は、そうした“心の処方箋”として、多くの人の支えになっています。
4. TikTokでのバズと若者への共感―「グッドな音楽を」の広がり
「グッドな音楽を」は、TikTokをはじめとするSNSでの拡散によって、爆発的に広がりました。サビのフレーズが印象的で、短い動画のBGMとしてぴったりだったことが人気の一因です。多くの若者がこの曲に合わせて動画を投稿し、それがまた新たなリスナーを呼び込むというポジティブな連鎖が生まれました。
特に、心情をストレートに表現する歌詞は、日々の生活に不安や迷いを抱える若者の心に強く響きました。SNSを通じたこの広がりは、ねぐせ。の音楽が「時代の声」として多くの共感を得ていることを証明していると言えるでしょう。
5. 「グッドな音楽を」が収録されたアルバムとその位置づけ
「グッドな音楽を」は、ねぐせ。の3rdミニアルバム『ワンダーランドに愛情を!』に収録されています。このアルバムは、バンドの音楽的な方向性と世界観をしっかりと感じられる作品となっており、他にも「日常革命」「ベイベイベイビー!」など、ねぐせ。らしい日常感とユーモア、そして切実さを兼ね備えた楽曲が揃っています。
アルバム全体としては、日々の生活の中で見過ごされがちな感情や、小さな幸せを見つめる視点が通底しており、ねぐせ。の音楽が持つ“あたたかさ”を存分に堪能することができます。「グッドな音楽を」は、そんなアルバムの中心的な役割を果たす楽曲として、多くのリスナーに響いているのです。