10-FEETは、日本のロックシーンを代表するバンドの一つであり、その歌詞には力強いメッセージが込められています。
2017年にリリースされたアルバム『Fin』に収録されている表題曲「Fin」は、疾走感のあるパンクサウンドとエモーショナルなメロディが特徴的な楽曲です。
本記事では、「Fin」の歌詞の意味を深掘りし、10-FEETが伝えたいメッセージについて考察していきます。
「Fin」とは?—楽曲タイトルが示す意味と背景
「Fin」という言葉は、フランス語や英語で「終わり」や「完結」を意味します。
映画のエンドロールで目にすることも多く、一つの物語が終焉を迎えたことを示唆する単語です。
しかし、10-FEETの「Fin」は単なる終わりを意味するのではなく、その先にある「続き」を意識させるタイトルになっています。
この楽曲が収録されたアルバム『Fin』は、バンドにとって5年ぶりとなるオリジナルアルバムでした。
そのため、単に「終わり」という意味ではなく、「終わったからこそ、次に進む」という決意や覚悟が込められていると考えられます。
歌詞の中には、「探して探してもずっと辿り着かない様な そんな迷い道を慰めにしたんだ」というフレーズがあります。
これは、明確な答えが見えなくても、模索し続けること自体が意味を持つというメッセージとも取れます。
終わりを迎えても、それは新たな始まりへとつながっていく。
そんな前向きな解釈ができるタイトルなのです。
10-FEETの音楽的特徴と「Fin」の位置づけ
10-FEETの楽曲は、パンク・ロックを基盤にしつつも、エモーショナルな要素や和のテイストを取り入れることで独自の音楽性を築いています。
「Fin」もその特徴を色濃く反映しており、以下のような音楽的要素が感じられます。
- 疾走感のある2ビート:イントロから突き抜けるような疾走感があり、リスナーを一気に楽曲の世界観へと引き込みます。
- クールダウンするパートの対比:勢いのあるパートの後に、アコースティック調でクールダウンする部分が挿入されており、緩急が効果的に使われています。
- 感情を揺さぶるサビ:サビでは、メロディアスな展開とともに、リスナーの心を掴むエモーショナルなフレーズが響きます。
これらの要素が融合することで、「Fin」は10-FEETの楽曲の中でも特にドラマティックな印象を持つ楽曲となっています。
また、バンドの代表曲である「RIVER」や「その向こうへ」とは異なり、より内省的なテーマを持っている点も特徴的です。
「Fin」の歌詞に込められたメッセージ
「Fin」の歌詞は、人生の迷いや葛藤を抱えながらも前に進もうとする姿勢を描いています。
冒頭の「もう少しだけ話してくれないか」というフレーズには、過去への未練や誰かとの対話を求める切実な想いが込められています。
また、サビの部分では、「探して探してもずっと辿り着かない様な そんな迷い道を慰めにしたんだ」と歌われており、確かな答えが見えなくても、自分の歩んできた道に意味を見出そうとする姿勢が感じられます。
これは、多くの人が抱える「正解のない人生」に対する共感を生む要素です。
さらに、「心の停滞感すらもガソリンに変えて前へ前へと進んでいこうとするエネルギーがこの曲最大の魅力である」とも言われています。
これは、10-FEETの楽曲に共通する「困難の中でも進み続ける」というメッセージが明確に表現されていることを示しています。
TAKUMAのソングライティングと「Fin」—歌詞の解釈
10-FEETのボーカル・ギターを務めるTAKUMAは、リアルな心情をストレートに表現するソングライティングが特徴です。
「Fin」もその例に漏れず、等身大の感情が込められています。
特に、「ヒトリセカイ」「アオ」といった楽曲との関連性が指摘されることが多く、これらの楽曲を通して10-FEETが伝えようとしているテーマが一貫していることが分かります。
- 「ヒトリセカイ」:孤独やすれ違いをテーマにした楽曲で、「Fin」の歌詞にも共通する感情が見受けられる。
- 「アオ」:「ウソの二面性」をテーマにしながらも、最後には人と分かり合いたいという想いを表現。
「Fin」の歌詞にも通じるメッセージがある。
このように、「Fin」は10-FEETの楽曲の中でも特に内省的な内容を持つ楽曲であり、TAKUMA自身の成長や考えの変遷を感じ取ることができる作品となっています。
「Fin」がリスナーに与える影響と共感ポイント
「Fin」は、単なるロックバラードではなく、多くのリスナーの心に響くメッセージ性を持っています。
その共感ポイントとして、以下の点が挙げられます。
- 迷いや葛藤を抱える人へのエール:「探しても辿り着かない」という歌詞に共感し、自分の人生と重ね合わせる人が多い。
- ライブでの一体感:ライブで演奏されると、観客が一緒に歌いながら感情を共有する場面が多く見られる。
- 聴くたびに変わる解釈:人生のフェーズによって歌詞の感じ方が変わるため、長く愛される楽曲となっている。
10-FEETの楽曲には、必ず「生きること」に対するポジティブなメッセージが込められています。
「Fin」もまた、迷いや不安を抱えながらも、それを乗り越えて前に進もうとする人々に寄り添う楽曲なのです。
まとめ
「Fin」は、単なる「終わり」ではなく、その先に続く未来を示唆する楽曲です。
歌詞には、迷いながらも前に進むことの大切さが込められており、10-FEETらしいエネルギーを感じることができます。
リスナーにとって、「Fin」は人生の様々な局面で寄り添ってくれる楽曲となるでしょう。