エレファントカシマシ「花男」歌詞の意味を徹底考察！その世界観とメッセージとは？

エレファントカシマシ（通称：エレカシ）の楽曲「花男」は、独特の世界観と強烈な歌詞で多くのファンを魅了してきました。
本記事では、「花男」の歌詞に込められたメッセージを深掘りし、楽曲の背景や人生観について考察していきます。

「花男」とは？楽曲の背景とエレファントカシマシの時代性

「花男」は、1988年3月21日にリリースされたエレファントカシマシのアルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』に収録された楽曲です。
この時代、エレカシはまだメジャーデビューしたばかりで、音楽シーンの中でも異色の存在として注目を集めていました。

1980年代後半といえば、バブル経済が絶頂を迎えつつあり、世間は浮かれた雰囲気に包まれていました。

しかし、エレカシの音楽はそんな時代の潮流に逆行するかのように、泥臭く、鋭い社会批判と反骨精神に満ちたものでした。

「花男」は、そんなエレカシの初期の代表的な一曲であり、宮本浩次の純粋で荒々しいロック魂が込められた楽曲です。
歌詞の中には、生きることへの葛藤や、社会に対する皮肉、そしてそれを乗り越えようとする力強さが感じられます。

「花男」の歌詞には、いくつか印象的なフレーズが登場します。
その中でも特に注目したいのが以下の部分です。

「ニタリニタリと策士ども転ばぬ先の杖のよう」

このフレーズは、保身に走り、計算高く生きる人々を皮肉っているように聞こえます。
世の中には、失敗しないように慎重に生きる人が多いが、そんな生き方で本当にいいのか？
という宮本浩次の強烈なメッセージが込められているのではないでしょうか。

「生きる屍こんにちは」

この言葉は、惰性で生きている人々を揶揄しているようにも捉えられます。
社会の波に流され、本当に自分の意思で生きているのか？
と問いかけているのかもしれません。

「どうせやるならドンとやれ」

一方で、この曲には「思い切り生きろ！」というポジティブなメッセージも込められています。
周囲を気にせず、自分の信じた道を突き進むことの大切さが強調されているのです。

この楽曲の主人公は、「俺」として描かれています。
「俺」は、世の中の策士たち（計算高く生きる人々）や、社会に流されて生きる人々を見て、苛立ちを感じています。
しかし、その一方で、そんな社会の中でもがきながらも生き抜こうとする強い意志を持っています。

「俺」と対峙するのが「きさま」です。

歌詞の中では、「きさま」という言葉が何度か登場しますが、これは特定の人物を指すというよりも、「策士ども」や「世間」を象徴する存在なのではないでしょうか。

「俺」は、そんな「きさま」に対して「きさまを信じるさ」と歌っています。
これは、ただの皮肉とも取れますが、ある意味では、社会に対する諦めと、それでも生き抜こうとする決意の表れとも解釈できます。

「花男」は、世の中の矛盾や不条理に苛立ちながらも、自分の信じる道を突き進む姿を描いた楽曲なのです。

「花男」は、エレカシらしい荒々しいロックサウンドが特徴的な楽曲です。

シンプルながらも力強いギターリフ
「花男」は、シンプルなコード進行ながらも、宮本浩次の魂のこもった歌声と相まって、強烈なインパクトを放っています。
力強いドラムとベース
リズムセクションが楽曲全体を支えており、シンプルながらもダイナミックな音作りがなされています。
宮本浩次の熱いボーカル
この楽曲の最大の魅力は、やはり宮本浩次の歌声です。
感情のこもったシャウトや独特の歌い回しが、「花男」の持つメッセージをより強烈に伝えています。

このように、「花男」は、エレカシの持つロック魂が詰まった一曲であり、バンドの音楽性を知る上でも重要な楽曲です。