【アイドル/YOASOBI】歌詞の意味を考察、解釈する。

YOASOBI(ヨアソビ)が歌う「アイドル」は、人気アニメ『推しの子』のオープニング主題歌として、リリース後2週間で1億回以上のストリーミング再生回数を記録しました。

この曲の歌詞には、『推しの子』に関連するキーワードが隠されており、作品を知ればその意味がより明確になります。

今回は、「アイドル」の歌詞と『推しの子』の関連性について掘り下げ、その意味を解説します。

曲の内容に興味がある方は、ぜひご覧ください。

ikuraさんとAyaseさんの2人からなる音楽ユニット

YOASOBIは、ikuraさんとAyaseさんの2人からなる音楽ユニットです。

彼らの音楽は小説をテーマにしており、SNSなどを通じて急速に人気を集めました。

以前はikuraさんがシンガーソングライターとして、Ayaseさんが音楽プロデューサーとして活動していましたが、Ayaseさんが偶然ikuraさんの才能に出会い、ユニットを結成しました。

彼らは現在も精力的に活動を続けています。

彼らの楽曲には「アイドル」の他にも、デビュー曲の「夜に駆ける」や、人気アニメ『BEASTARS』のオープニング曲「怪物」など、さまざまなヒット曲があります。

アニメ『推しの子』

『推しの子』は、推しのアイドルを持つ主人公が母を殺害した犯人に復讐する物語です。

星野アクアという主人公は元々産婦人科医として生きていましたが、推しのアイドルである星野愛のストーカーに殺害され、その後アイの子どもとして生まれ変わります。

しかし、アイもまたストーカーに殺害され、アクアは復讐を決意します。

この物語のあらすじは非常に複雑で長いため、アニメ『推しの子』の第1話はなんと90分もあり、SNS上で話題となりました。

作品は芸能界やアイドル業界の闇、そして転生による複雑な人間関係など、多くの魅力的な要素を含んでいます。

真犯人や今後の展開など、考察すべき点も多くあります。

過去の嘘に囚われずに本来の姿をさらけ出す

YOASOBIの「アイドル」の歌詞は、3つの視点から構成されています。

ここでは、各メロディに焦点を当て、その意味を考察していきます。


無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様

YOASOBIの「アイドル」の1番Aメロ歌詞は、ファンの視点から星野アイに焦点を当てています。

ファンは星野アイを、歌やビジュアルなど、完璧なアイドルとして見ています。

しかし、実際の星野アイは笑顔や視線など、すべてが計算された演技であり、その裏で大きな嘘を隠していました。

彼女はその完璧なアイドル像を演じながら死亡し、その姿を「天才的なアイドル様」と表現しています。


今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?
何も食べてない
それは内緒
何を聞かれても
のらりくらり

そう淡々と
だけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味
あれもないないない
これもないないない
好きなタイプは?
相手は?
さあ答えて

星野アイはファンや記者からの質問に対して、具体的な回答を避ける傾向があり、定型文のような返答をしています。

しかし、その一方で彼女は明るい雰囲気を漂わせており、本質が見えないような微妙なバランスを保っています。

このような振る舞いに、ファンたちはますます興味を持ち、彼女に対する関心が高まっていきます。


「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
嘘か本当か知り得ない
そんな言葉にまた一人堕ちる
また好きにさせる

星野アイは特殊な環境で育ったため、誰かを好きになることについて本当の意味を理解していませんでした。

しかし、彼女が「誰かを好きになることなんて私には分からない」という言葉を口にすると、世間は彼女の育った環境を知らないため、さまざまな解釈をします。

星野アイが述べる内容が通常ではあり得ないものであっても、彼女の特殊な背景から来る真実かもしれないと考えるファンが増え、彼女に対する愛情がますます深まっていきます。

これが歌詞で描かれている一連の流れですね。


誰もが目を奪われていく
君は完璧で究極のアイドル
金輪際現れない
一番星の生まれ変わり
その笑顔で愛してるで
誰も彼も虜にしていく
その瞳がその言葉が
嘘でもそれは完全なアイ

ファンから見た星野アイは、他に類を見ない存在であり、「今後星野アイ以上のアイドルは出現しないだろう」という感情が歌詞に表現されています。

彼女の愛情に満ちた「アイ」、純粋な瞳を持つアイドルとしての「アイ」、そして星野アイ自身のキャラクターが嘘であっても、ファンにとっては完璧で欠点のない存在でした。

また、「一番星」という歌詞は、ゴローが「一番星のように眩しかった」と感じることを示しており、「嘘でもそれは完全なアイ」という部分は、星野アイ自身が「嘘は最高の愛」というセリフから派生していると解釈されます。


はいはいあの子は特別です
我々はハナからおまけです
お星様の引き立て役Bです
全てがあの子のお陰なわけない

洒落臭い
妬み嫉妬なんてないわけがない
これはネタじゃない
からこそ許せない
完璧じゃない君じゃ許せない
自分を許せない
誰よりも強い君以外は認めない

誰もが信じ崇めてる
まさに最強で無敵のアイドル
弱点なんて見当たらない
一番星を宿している
弱いとこなんて見せちゃダメダメ
知りたくないとこは見せずに
唯一無二じゃなくちゃイヤイヤ
それこそ本物のアイ

YOASOBIの「アイドル」の2番の歌詞は、星野アイが所属していたアイドルグループ・B小町のメンバーの視点から描かれています。

B小町は星野アイを中心に構成されており、その他のメンバーはおまけ扱いを受けていたことが歌詞から窺えます。

全てが星野アイのおかげでB小町が存在しているかのような風潮に、他のメンバーは不快感を抱き、自分たちの努力すらも無視されているような感覚に悩まされています。

しかし、彼女たちは星野アイの実力を認めており、彼女の存在が本物であることを理解しています。

そのため、他のメンバーは自分たちを引き立て役として活躍する星野アイに対して、「弱さを見せずに唯一無二の存在であり続けてほしい」という願いを抱いているのでしょう。


得意の笑顔で沸かすメディア
隠しきるこの秘密だけは
愛してるって嘘で積むキャリア
これこそ私なりの愛だ
流れる汗も綺麗なアクア
ルビーを隠したこの瞼
歌い踊り舞う私はマリア
そう嘘はとびきりの愛だ

YOASOBIの「アイドル」の3番の歌詞は、星野アイ自身の視点から描かれています。

彼女は現役時代に双子の兄妹であるアクアとルビーを出産し、その事実を秘密にしながらアイドルとしての活動を続けていました。

母としての役割とアイドルとしてのキャリア、両方の幸せを求める彼女は、「歌い踊り舞う私はマリア」と自己表現しています。

アイドルとして人々に幸せを提供するための嘘は、星野アイにとって最高の愛情表現と同等のものです。


誰かに愛されたことも
誰かのこと愛したこともない
そんな私の嘘がいつか本当になること
信じてる

いつかきっと全部手に入れる
私はそう欲張りなアイドル
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
それでもまだ
君と君にだけは言えずにいたけど
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる

特殊な環境で育った星野アイは、「愛」についての理解が乏しく、自身がアイドルとして演じてきた嘘が真の愛に変わる可能性を信じています。

そしてついに、彼女は双子の兄妹であるアクアとルビーに対して、「愛してる」という真の愛情を心からの言葉で伝えることができました。

ミュージックビデオでは、着ぐるみを脱いで、過去の嘘に囚われずに本来の姿をさらけ出す表現がされています。

『推しの子』の本編を知っている人々にとって、アクアとルビーに向けて「愛してる」という言葉を伝える星野アイのシーンは感動的で、涙を誘うものでしょう。

YOASOBIの「アイドル」の歌詞の意味を深く理解するためにも、ぜひ一度『推しの子』をご覧になってみてください!

アニメソングとアイドルソングの要素を見事に融合

YOASOBIの「アイドル」は、『推しの子』に関する内容が含まれているだけでなく、単純に音楽としても素晴らしいと評されています。

この楽曲はアニメソングとアイドルソングの要素を見事に融合させており、何度も聞きたくなる中毒性があります。

多くの人々が「アイドル」に魅了され、実際にリリースから2週間でストリーミング再生1億回を超える記録を樹立しました。

また、歌詞も様々な視点から描かれており、言葉選びも秀逸です。

特に、「金輪際現れない 一番星の生まれ変わり」という部分は特別な推しの存在を見事に表現しています。

この楽曲の素晴らしさを理解した上で、ぜひもう一度「アイドル」を聴いてみてください!