【シグナル/WANIMA】歌詞の意味を考察、解釈する。

2016年にスタートした音楽フェスティバル『18祭』はご存知ですか?

今回紹介するWANIMA(ワニマ)の「シグナル」は、2017年に行われた同フェスで初披露された曲です。

この曲は、1000人の18歳と共に生み出され、熱い思いが込められています。

「さあ!行ってこい」と背中を押すWANIMAの姿

「シグナル」という楽曲は、『18祭』から派生したものですが、そのメッセージは決して18歳に限定されるものではありません。

作詞者のKANTAは、自身が18歳だった頃に思いを馳せながら書いた歌詞で、聴く人それぞれが自分の過去を振り返ることができる内容です。

今の自分の視点で過去を見つめ、成長した今の自分が伝えたいメッセージが込められています。

誰もが通る青春時代を愛し、未来の自分を迎え入れるための歌として、全ての年代に向けられています。

この心温まるメッセージが詰まった「シグナル」の歌詞を解釈してみましょう。

不確かなまま はじまる今日は
変わらない いつも通り
顔を洗って 鏡の前 また苦笑い

時は流れ 空の下で
わからないことばかり
またいつか…未完成でいい
肩並べて…

この歌詞では、現在の立場から過去を振り返ります。

良い意味で「今の私たちも、あの時の18歳たちとそれほど変わらない」という前提で、18歳世代を肯定しています。

そして、未来で再び共に歩む日を楽しみにしていることを伝えています。

この日々は不確かで、過去の自分と今の自分が同じように感じます。

日々の不条理に立ち向かえず、苦笑いすることもあります。

時間が経っても、未だに理解できないことばかりです。

不確かで不安な毎日を送っているかもしれませんが、いずれは皆が大人になるでしょう。

しかし、大人になっても未完成な部分は残ります。

だから、そのままで構わないのです。

またいつか、誰かと肩を並べる日が来るでしょう。

この「肩を並べる」は、直接的には『18祭』で共に歌った今日という日を指しているのかもしれませんね。

僕は君を 君の日々を
どのくらい このくらい
言葉で言えるんだろ
孤独な日々を 底ついた希望も
どのくらい このくらい
僕は知ってるんだろ

このときの「僕」はWANIMAであり、同時に現在の自分でもあり、18歳を過ぎた大人たちを指します。

「君」は、現在を生きる18歳世代たちを指します。

18歳のみんなが抱える夢や悩みを、僕はどれほど言葉にできるのだろうか。

彼らの孤独や不安を、僕はどれほど理解しているのだろうか。

WANIMAが18歳たちの応募動画を見て、彼らに触発され、心を寄せている様子が感じられます。

Oh~ 弱音や愚痴吐いて未熟でも挑戦
Hey 笑ってみてろよ
くだらないってため息数えて
ほんの一瞬 かすめた不安を掻き消すくらいの
交わすサイン 見逃さぬように

未熟であることは当然であり、不安を感じることも当然の18歳たちへ。

それでも、前を向いて、希望のシグナルを見逃さないようにというメッセージが込められています。

弱音を吐いても構わない。

どれだけ愚痴をこぼしてもいいんだ。

みんな未熟な18歳だ。

恐れずにチャレンジしろ!

挑戦し続ける君にため息つく奴なんか無視していい。

君は夢を叶えるためのサインを見逃さないように前を向いて進んでいけ。

不確かなまま はじまる今日は
変わらない いつも通り
顔を洗って 鏡の前 また苦笑い

時は流れ 空の下で
わからないことばかり
またいつか…不器用でいい
顔を上げて…

ほぼ同じ歌詞ですが、最後の部分が、「不器用でも構わない。顔を上げていこう」となっています。

今日という不確かな日々が始まる。

この先も同じように続くだろう。

しかし、そのような日々を巧みに乗り越える必要はない。

この貴重な日々を大切にしながら、どんなにぎこちなくても顔を上げて未来に向かって歩み続けてほしい。

そんな、若者たちを見守る大人たちの願いがこめられています。

いつの間にか
時は流れ 空の下で
今 何が見える?
涙拭って 鏡の前 ほら元通り

大人になって子供にもどって
さぁ思い通り

まだ今は未完成でいい

走り出した

このときの「今」は、18歳の今だけでなく、少し先の未来も含んでいるのではないでしょうか。

将来訪れる「今」を肯定し、未完成であることを強みにしてほしいと伝えているように思います。

これからも思い通りにいかないことはたくさんあるだろう。

でも、「今、何が見える?」

大切なものはいつもちゃんと目の前にあるんだよ。

信じるものを見失わなければ、いつだって子どものように、自分のことを「思い通り」にできる。

それは、いつか大人になっても変わらない。

だから未完成のままでもいいんだ。

何度でも前に進もう!

踏み出すスタート
ゴールまで…
描く未来像
1から 100通り
好きにやって ダメなら戻ってこい
ゴールまで…
偉く長いぞ!!
勢いで空回り
「無駄じゃない」
何度でも唱えながら…

18歳という岐路に立つ若者たちに、これからの旅路が長いことを示唆しています。

そして、その先には勇気を持って進むように促し、可能性は無限であることを伝えています。

人生はまだ始まったばかり。

何度でも再出発できるんだ。

描く未来は個々に異なる。

他人とは違う未来、他の方法で自分らしく生きることができる。

君たちは自由なんだ。

本気で取り組んだのなら、失敗してもそれは絶対に無駄にはならない。

疲れたら一度立ち止まってもいい。

そして再び立ち上がればいいんだ。

特に「ダメなら戻ってこい」という歌詞は、WANIMAらしい言葉だ。

彼ら自身にも、そんな言葉を掛けてくれた人がいたのかもしれない。

そして、今度は自分たちが未来に挑む若者たちの「戻れる場所」でありたい!

そのような意味も含まれている気がする。

空回りしても遠回りしても、諦めさえしなければ、また走り出せる。

この先の長い旅路を指し示し、「さあ!行ってこい」と背中を押すWANIMAの姿が目に浮かぶ。

今を生きるすべての人への“応援歌”

今回は、『WANIMA 18祭』で初披露された楽曲「シグナル」をご紹介しました。

“シグナル”は、通常は“信号”や“合図”という意味ですが、この曲では“サイン”と同様の意味合いが込められています。

しかし、“サイン”ではなく“シグナル”というタイトルにしたのは、目に見えない要素が含まれているからではないでしょうか。

そして、“シグナル”は一過性の合図ではなく、継続的な伝達があることを示していると考えられます。

若者たちからのシグナルをWANIMAが受け取り、次にWANIMAから全国の18歳世代にシグナルを送り返しました。

さらに、『18祭』のステージを観た人やこの曲を聴いた人にも、その“シグナル”は広く伝わったのではないでしょうか。

明るいWANIMAの楽曲には、孤独や不安を吹き飛ばすパワーがあります。

『WANIMA 18祭』に参加した18歳世代にとって、「シグナル」は青春時代を象徴する一曲となったでしょう。

これからも何年経っても、この曲を聞くたびにWANIMAと歌ったあの瞬間、またあの日の自分と再会することができるでしょう。

「シグナル」という曲は、18歳世代だけでなく、今を生きるすべての人への“応援歌”です。

この曲の“シグナル”は、きっとあなたにも届くはずです。